【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 3月分

【高齢者地域生活推進委員会】定例レポート 3月分

開催概要

開催日:2026年3月19日
開催場所:オンライン

当日のアジェンダ概要

1 地域活動について(アンケート結果の共有&研修会の振り返り)
2 外部イベント参加報告(グループホーム)
3 現場や記録で使用する文言を考えよう(小川委員長)

当日の定例レポート

当日は、地域活動の推進と介護の質の向上を目的として、研修後アンケートの共有および外部イベント参加報告、現場で使用する文言の見直しについて検討が行われました。

地域活動に関しては、地域とのつながりを広げる実践の重要性が再認識されました。

また、日常的に使用する記録表現については、より具体的かつ客観的な記載を重視する視点で議論が深められました。

地域活動について(アンケート結果の共有&研修会の振り返り)

先月より開始した地域活動プロジェクトについて、研修後アンケート結果の共有および研修会の振り返りが行われました。研修参加者は41名でした。

【アンケート結果】(回答数:17件)
・「現在、地域活動を行っている」:10名
・「地域活動は行っていないが、サポートがあれば参加したい」:7名

今後は、事業所の管理者と連携しながら、地域活動への参加を促進するためのサポート体制づくりを進めていきます。

具体的なアクションは今後の課題ですが、進捗があり次第、本委員会や研修の場で報告する予定です。

外部イベント参加報告(グループホーム)

先日、北九州市主催の「介護みらい会議」に参加しました。
本会議では、「ケアの仕事はもっと街に出ていい」をテーマに、福祉と地域の関係性について議論が行われました。

主な内容

①事例発表「境界について」
介護施設内と地域を分ける境界線についての発表がありました。

「街に出るとは何か」という内容でしたが、結論として施設の内外で大きな違いはなく、地域は一つのつながりとして捉えるべきであるとの視点が示されました。

また、障害の有無に関わらず、地域の一住民として自然に関わり合うことの重要性が共有されました。

②地域連携の実践事例
地域の空き物件を活用し、子どもから大人まで誰もが集える居場所づくりを行っている事例が紹介されました。

この取り組みが発展し、現在はJR九州と連携して、福祉と街のつながりを広げていくプロジェクトへと拡大しています。

所感

小さな地域とのつながりが、やがて大きな広がりにつながることを実感しました。
地域密着型サービスとして、今後の取り組みに活かしていきたい内容でした。

また、福祉と地域の境界をなくし、積極的に街へ出ていくことの重要性を改めて認識しました。

メンバーによる質問
Q:今後、新たに取り組みたいことはありますか
A:地域とのつながりを深めるため、以下の2点を検討しています。

①事業所の地域開放
グループホームを地域に開き、「コーヒー1杯無料」など気軽に立ち寄れる機会をつくり、住民との接点を増やしたいと考えています。

これは、利用者からの提案がきっかけとなっています。

②地域イベントの開催(餅つき大会)
年末に餅つき大会の開催を検討しています。
民生委員の承諾を得た上でチラシを配布し、事業所の駐車場を活用して実施する予定です。

安全面については、その場での飲食や見守り体制の整備など、リスク対策を講じながら実施したいと考えています。

Q:新しい取り組みに対して消極的な職員への対応はどのように考えていますか

A:まずは職員自身が日常の中で行っている関わりを「地域活動」として再認識できるよう働きかけます。

その上で、意見を聞きながら「次にやってみたいこと」へとつなげ、徐々に関心と参加意識を高めていきたいと考えています。

感想

・コーヒー1杯無料の取り組みは、地域との距離を縮める素敵なアイデアだと感じました。

また、新しい取り組みを進める難しさはどの事業所にも共通する課題であり、今後は委員会内でも相談していければと思います。

・「施設に人を呼べばよい」という発想が印象的でした。
以前、老人保健施設で勤務していたころ、空きスペースを活用して、地域のキッチンカーや訪問マッサージの方々を招いていたことがあります。

すると入居している方がそこで実際に買い物などを楽しむ機会が生まれ、好評だった経験があります。
こうした取り組みは、地域住民への認知向上にもつながるので、キッチンカーやクレープ屋さんなどを呼ぶのも良いと思いました。

現場や記録で使用する文言を考えよう(小川委員長)

前回に引き続き、現場や記録で日常的に使用している言葉について見直したいと思います。
普段何気なく使っている表現の中には、違和感を持ちながらも慣習的に使用しているものがあるのではないかと思います。

例えば「徘徊」という言葉は、一般的には「危ない人がうろうろしている」といったネガティブな印象を伴う表現で、「危険」「問題行動」といったイメージにつながりやすい言葉です。

一方で、介護現場では日常的に使用されている実態があります。

このコーナーでは、こうした言葉について改めて捉え直し、「適切な表現とは何か」「他にどのような言い換えができるか」をディスカッションしたいと思います。

ディスカッション

①「指示が入らない」という表現について

・代替表現として、「認知がある」という表現がよく使用されていますが、曖昧な印象があります。

・「指示が入らない」「拒否」などの表現ではなく、なぜその行動に至ったのか(理由・背景)について、具体的事実や本人の言葉、状況を記録することが重要だと思います。

そのようにアセスメントになる材料を残すことで、そうした表現自体がなくなっていくと思います。

②「ちょっと待って」という声かけについて

・「ちょっと待って」という表現は頻繁に使われますが、利用者にとっては待ち時間が分からず、不安につながる可能性があります。

・「10分後に伺います」「用事が終わり次第伺います。あと5分後に来ます」など、具体的な時間や状況を伝えることで、安心感につながると思います。

すぐに対応が必要ない場合は、「今、他の支援に入っているので、30分ほどお待ちください」と伝えています。

③「機嫌が悪い」「不穏」の記録について

・「不穏」という表現は簡便である一方、状態の背景を考える機会を減らしてしまう可能性があります。

「機嫌が悪い」は観察に基づく表現として正確でもあり、原因を考えるきっかけになるので、ネガティブなようでも適切な表現だと思います。

より適切な記録となるように、表情・しぐさ・発言などの具体的な情報を補足しておくのも良いと思います。

④センシティブな事案の記録について

・セクシャルな言動なども含め、基本的には事実を正確に記録することが重要だと思います。

私たちは専門職としてそれを分析したり、判断材料にしていかなければならないので。

ただ、「露出行為」などのラベリングは避け、行動・発言・表情・状況を具体的に記載して、背景(混乱の有無など)が読み取れる情報を残すことが大切だと思います。

それが、今後の対応や分析につながります。
もっとも、ご家族に伝える際には表現を考えた方がいいと思います。

⑤「不潔行為」「ろう便」などの表現について

・「不潔行為」という表現は、本人が不潔と感じて行っているわけではないこともあり、同様に「不明瞭な発言」なども、本人は何かを伝えようとしている過程です。

それを一括りに記録するのは問題だと思っています。

抽象的・主観的な表現で片付けるのではなく、記録を客観的・具体的に記載することで、こうした曖昧な言葉を使わずに済むようになると思います。

・「ろう便」(便をさわる)という言葉についても、一般の方には強い印象や抵抗感を与える可能性があります。

ご家族への説明としても適切とは言い難く、表現には配慮が必要だと思います。

・「ろう便」などの専門用語は医療現場由来の文化として使われてきた側面があり、介護の現場においては必ずしも適切でないと思います。

「ろう便」などのラベリングではなく、どのような行為があったのか(例:衣類内に手を入れていた等)や、その時の状況や様子を書くことが、生活の支援を支える介護職には大切だと思います。

具体的に記録することで、後の分析や支援につなげられます。

・専門用語を使用することに、介護職自身が自己満足を覚えることで、事実をそのまま書くのではなく、「専門職としての表現」に偏っているケースも見られます。

ただ、KOT(便)など、場面によってはオブラートに包めるので、言葉そのものが悪いということではないですが、例えば「徘徊」では内容がわからないので、介護の仕事に差し障るという意味で不都合だと思います。

⑥「処置をする」という表現について

・介護現場では、塗布や創部対応など、医療的判断を伴う行為については制限がある中で、「処置をする」という表現は、医療行為を想起させる言葉でもあり、介護職としての業務範囲が不明確になるので注意が必要だと思います。

「医師・看護師の指示のもと対応した」など、指示の有無や、具体的な行為内容を明確に記録する必要があると思います。

・実際の事例として、表皮剥離への対応において医療機関との連携が難しく、看護師の指示の下で、傷口を保護した事例はあります。

事故報告書として提出しましたが、現場での判断や記録に苦慮したケースでした。

⑦記録の基本的な考え方について

・記録は、第三者が読んだ際に、その場の状況をどれだけ具体的にイメージできるかが重要で、再現性の高い内容であることが望まれます。

専門用語に頼るのではなく、本人の発言、その時の様子(表情・態度など)、職員の関わりとその結果を具体的に記録することで、より質の高い記録となると思います。

・帰宅願望のある利用者に対し、発言内容や関わりの経過を具体的に記録することで、状態の変化や支援の効果が分かりやすくなりました。

⑧記録の書き方・表現について

・記録の形式(「です・ます」調/箇条書き)については、明確な正解はなく、後から見返した際に分かりやすく、整理されていることが重要だと思います。

そのため、文章は、短く簡潔に、状況がイメージしやすい表現で記載するのが良いと思われます。

・新人職員にとっては「です・ます」調の方が書きやすい場合もあり、無理に統一はしていません。

⑨現場で生まれる言葉の扱いについて

ある利用者が、調理中に主任のような言葉遣いや指示出しなどをし出したので、「○○さん、今日は主任のようになってるから」と言っているうちに、職員間で「主任モード」という言葉が共有されるようになってきました。

それに対して責任を感じており、次回以降、改めて検討したいです。

 

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