土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
介護業界は3Kとも言われ、仕事はつらいもの、我慢するものなどと思っていましたし、実際にそう感じることもありました。こうあるべきだとか、こういう考え方は介護をするものにとってふさわしくないといった概念から自分を追い込んでしまうこともありました。ネガティブな感情を持つことが不謹慎だと感じ、介護という仕事は感情を押し殺し我慢する仕事なんだと感じていました。
相手の心に触れて自分の心を使う仕事ではあるけれども、感謝されたり、必要とされたりするやりがいはもちろん感じますが、自分の感情を抑圧している場面も多く、やりがいとの天秤にかけるとどうしてもしんどいほうに分があるように感じてしまっていました。
気がつけば、自分自身をなくしているように感じました。人助けが好きな理想像のようなものがつきまとって、屁理屈を言ったり、意地悪であったり、怠け者であったりする人間くさい自分の側面を否定しているように感じました。
そんな時に感情労働という言葉を知りました。肉体労働、頭脳労働に並ぶ第三の概念で近年注目されています。
大きな気付きとしては、肉体労働が疲れたら体を休めるように、感情労働も感情を休めないといけないということです。
心を使うのだから強靭な精神力を鍛えないと!と考えるのではなく、適切に負荷をコントロールしてあげる。自分の心が休まる方法を探し、しっかりその時間を取ってあげるということです。
私の場合は、考えない時間を作ることでした。休みの日に体を休めていても色々考えてしまうと心は休まっていないなと感じました。このことを考えるのは明日の仕事中にしよう、と割り切って自分の時間と心を守ることで少し楽になれました。
介護という仕事は優しさや思いやりの土台の上に成り立っています。しかしながら、相手に対する気持ちと同じくらいに自分に対する優しさや思いやりが必要だと感じました。
“自分を大切にすること“
それが、私が見つけた介護で働く上での価値です。
自分を犠牲にしすぎることなく、心のあり方を忘れずに、この世になくてはならない介護という仕事に従事する仲間を1人でも増やしていければと思います。