優しさを「質の高さ」で届けたい~創業2周年をむかえて~ / 新川勝美(訪問看護ステーション土屋GM / 感染症対策委員会委員長)

この度は、創業2周年おめでとうございます。

海辺で決起大会をした2年前、私は自分の目標として

「これからの訪問看護ステーションを大規模事業所にします。」
と豪語してしまった。

当時は、利用者も3名ほどの訪問看護事業所が一つだけだった。私がこの豪語に至った経緯と言うか根拠となったのは、数日前に訪問看護における、管理者向け研修に参加したことである。

以前より2025年問題は熟知していたつもりであったが、そこに訪問看護を結び付けて深く考えることはなかった。しかし、この研修を受けることにより頭に雷が落ちた感覚を覚えた。そのため、「訪問看護という事業に何を求められているのか」が明確化された気分であった。

訪問看護推進連携会議の訪問看護アクションプラン2025の中でも、

「特に重要な課題は、日本全国どこでも24時間365日、いつでも必要な質の高い訪問看護サービスを届ける仕組みをつくることです。そのために、2025年に向かって訪問看護事業所の目指すべき方向の一つは、多機能化・大規模化です。」

と記載されている。では、どの様にしていくかという事である。

理屈はわかったが、私と言えば、創業から全力疾走をしている。
なぜ全力疾走をしているかと言うと、基礎固めを全力でしている。

家を建てるのと同じで基礎がしっかりとしていないと風が吹けば傾き、また図面通りにしないと雨漏りがするような家では、それこそ台風が来たら瞬く間もなくつぶれてしまう。こんな突貫工事ではいけない。
理念の一つに「選ばれる」という事を掲げているが、いくら外見が良くってもまずいケーキは買わないが、少しぐらいいびつでも、味が良ければ口コミで「美味しい」と広まる。

質が良くないと、まずもって訪問看護ステーション土屋を選ばないし、せっかく一緒に働いてきた仲間も、この場から去っていく。例えば、心のこもった看護を最期に提供されたらどうだろうか。障害や病が重度化・多様化・複雑化していくクライアントが、安心して看護を提供されたらどうだろうか…
そのため、全力疾走でまだまだこの基礎部分を強固なものにしていかないといけない。

今期は6か所の訪問看護ステーションを開設するが、そろそろ基礎工事から上棟工事に移っていく時期を考えないといけない。この工事も私一人ではできない。同じ志を持つ仲間と一緒に作り上げていきたい。

終わりに、最初に豪語したことを、決して理想ではなく現実にしていくため、これからも口に出していく。
言葉が思考と行動に影響を与える「プライミング効果」を期待しながら。来年の創業3周年はどの様に変化しているかわくわくする。

 

◆プロフィール
新川 勝美(しんかわ かつみ)
保有資格 : 看護師・介護支援専門員

中学の時に担任より、これからの時代は「女性が活躍する時代が来る。看護師になれ」と言われ、素直に看護師を目指す。看護専門学校を卒業後、13年ほど大阪の総合病院など第一線で勤務。夫の転勤のため福岡へ。
その後、子どもが産まれ、8か月から前職にパート看護師として勤務。しかし、子どもが小さいからとのことで、勤務先はデイケア(現在の通所リハビリ)であった。現在と違ってまだ介護保険がない時代であったのと同時に、今迄病院勤務しかしたことがなかったので、利用者を患者としか見ず頭を切り替えるのは苦労した。そこから、介護保険も始まり、介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・グループホーム・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム等の開設に携わってきた。
その後、会社経営に携わり病院及び介護保険に関わる事業だけではなく職員のための託児所・食品工場設立・食品問屋・印刷会社などのM&Aを行う。
令和2年 代表取締及びグループ会社の代表を任期にて退任。
その後、ユースタイル入社。現在の前身である訪問看護ステーション土屋の管理者となる。

 

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