【SDGs推進部】MATA旅『中国地方在住のクライアントのNさんが東京ディズニーランドに旅行しました』

SDGs推進部MATA旅担当者より

今回、中国地方在住のクライアントのNさんが東京ディズニーランドに旅行しました。

Nさんの想い出の瞬間、旅行中や旅行後のクライアントのご様子を、同行したCNの國岡さんにお聞きしました。

Nさんの想い出の瞬間、旅行中や旅行後のご様子

―普段のクライアントとの関わりを教えて頂けますか?―

國岡さん「Nさんの居宅身体介護支援、重度訪問支援をコーディネーターとして担当させていただいております。」

―クライアントがこの旅行で最も楽しみにしていたことや期待していたことは何でしたか?―

國岡さん「気管切開後、初のディズニーランドだったので、行くこと自体が楽しみのご様子でした。」

―ディズニーランドに到着した最初の反応や表情、最も興奮したこと、初めての体験、アトラクションやショーはありましたか?―

國岡さん「いつもより誇らしげな表情でしっかりと目を開けて周囲を見渡して、ご家族との写真撮影されていました。Nさんが大好きなミッキーに会えた時、目を大きく開けて嬉しそうにハグ&チュウをして表情が和らいでいたのが印象的でした。

アトラクションのイッツアスモールワールドでは車椅子を降り、抱っこひもを使い観覧されました。そこで美女と野獣のアトラクションも同じようにしましたが、座位保持が難しいとのことで残念ながら乗れなかったんです。でも、挑戦することができてご家族も喜ばれていました。」

―他の観光客とのコミュニケーションはありましたか?―

國岡さん「旅行中、クライアントが他の訪問者やスタッフとの間で持った特別な瞬間は特にありませんでしたが、親切な方に進路を譲っていただいた場面は何回かありました。

それから、短い時間ながらも千葉県内の日中一時支援を利用されている団体の方たちとの交流もありました。」

―観光地が、重度心身障害児のような特別なニーズを持つ訪問者をより歓迎するために改善できる点はありますか?―

國岡さん「トイレやオムツ交換、医療的ケアが、安全に快適に行える複数の場所があると、安心できますよね。」

―今回の旅行をサポートする際に、最も大きな課題とご自身が学んだ大切なことは?―

國岡さん「支援当初より体重増加があり、移動・移乗時、宿泊先での入浴、気管切開もされているので医療的ケアが頻回である事など、久々の遠出であったNさんの体力が心配でした。

そして、ご家族それぞれが旅行を楽しんで頂けるように全力で支援をしていく!ということが私の中で大きな課題でした。

また今回、共生社会の意義を改めて感じました。障害の重さ軽さではなく、行きたいところへ行き、好きなことを自分らしく生きていく事、体験する事が大切であり、障害当事者であるから出来ないとの決め付けや偏見は必要ないですね。」

―この旅行中にクライアントが示した、あなたが予想していなかった反応や行動は何でしたか?―

國岡さん「行く日の朝に「高熱が出た」との知らせがありびっくりしましたが、最寄りの新幹線駅に着くころには平熱で。出掛けることに興奮しちゃったようです(笑)。

また、帰りの電車に乗る前にSpO2値(酸素飽和度)が急に下がり「帰りたくない!」とアピールしているように感じました。」

―旅行を終えて、クライアントが持ち帰ったお土産や写真の中で、特に気に入っているものは?―

國岡さん「特に気に入っている写真は大好きなミッキーとの2ショットですね。ご家族から、お友達やお世話になっている人にお土産を渡す際、「ディズニーに行ってミッキーに会ってきたよ!」と言いながらとても誇らしげな表情だったと伺いました。

―今後、このような旅行をサポートする際の、ご家族や、そのサポートを担うアテンダントへのアドバイスやメッセージがあれば、お聞かせください―

國岡さん「他アテンダントにアドバイスなど大それたことはないですが、旅行当日のアテンダントとしてクライアントの介助は勿論のことですが、ご家族団らんの時間を大切にする事も、また日頃からのご家族とのコミュニケーション、Nさんの障害を深く理解しておくことが重要だと思います。

他にも障害があり、社会参加が難しい方、外出もままならない方もたくさんおられると思います。でも、一人では難しいこともサポートがあれば出来ることは確実にあります。

私自身はクライアントが自分らしい生活を送れるように、主体が誰かを考えて行動するようにしています。」

重い障害があっても自分らしく、旅行を楽しむことに挑戦されたクライアントのご様子をお聞かせ下さり、ありがとうございました。

参考:
◎クライアントの医療機器使用状況
・呼吸器(夜間のみ)
・吸引機と血中酸素飽和度測定器(モニター)は常用

◎今回の旅で準備した蓄電池の内容
非常時用の予備電源として蓄電池を購入。車椅子に乗せ持ち歩いた。
同様に酸素ボンベも車椅子に2本、ホテルの方に直送されていた。

・結局ホテルでの充電で間に合い、蓄電池を使用する事はなかった。
・飲食店や救護室で電源の使用をさせてもらい、充電することができた。
・新幹線内も電源の利用ができた。
・呼吸器は夜間のみの使用なので、今まで蓄電池は使用したことはない。

<蓄電池の型>
エバーライト メガパワーステーション
モデルNo. SSBACMPB-C

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