土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
ソファーの上に寝ている。
3匹集まって寝ている。
家に来てから、ちょうど2年になる。
それは6月なのに台風が近づいている日だった。
「家の近くに猫が捨てられている」と、ご近所さんが言ってきた。
それを聞き心配になった妻が、様子を見に行った。
最初は捨てられているのが2匹と聞いていたが、実際に見てみると段ボール箱には5匹の子猫が入っていた。
5匹は多いとわかってはいたが、台風が近づいており、保護せずにはいられなかった。
縞が2匹、三毛・白・黒が1匹ずつの計5匹を、すぐに動物病院に連れて行き、診察してもらった。
生後3週間くらいで、黒い1匹は目に傷を負っていたが、5匹とも健康状態に大きな問題はなさそうだった。
これまで何度か猫を保護したことがあったので、家にあった大きなケージを準備して、しばらくその中で過ごしてもらうことにした。
数日すると、子猫たちも環境に慣れたのか、徐々に遊ぶようになってきた。
ちゃんと栄養が取れてきたことで、黒猫の目の傷も見違えるほど良くなり、獣医さんが驚いていた。
他の子も肉付きや毛艶が良くなり、家の中を元気に駆けずり回るようになった。
活発な子や控えめな子、なんかちょっと変わった子など、だんだんと性格も見えてきた。
縞の2匹は里親さんが見つかり、元気に旅立っていった。
結局、残りの3匹は家で飼うことにした。
オスの白猫は「ごま」、オスの黒いハチワレ猫は「のりお(海苔男)」、メスの三毛猫は「あさ」と名付けた。
数年前に、長年飼っていた犬や猫が亡くなってしまい、当時は10年ほど前に保護した猫1匹だけが家にいる状態だった。
亡くなってしまった犬と猫は仲良く遊ぶ仲だったので賑やかな毎日だったが、猫1匹になってしまってからは静かな生活になっていた。
子猫3匹が加わって、賑やかな日々が再び始まった。
子猫が遊ぶ姿は、反則級にかわいい。ただ、ひたすらにかわいい!
実はその時、私自身は壁にぶつかっていて、色々と不安の大きい日々だった。
しかし、子猫3匹が家に来てから、物事が良い方向に進むようになってきた。
「招き猫」なのか「猫の恩返し」なのかはわからないが、「助けたようで助けられている」、そんな感じだ。
今日も仲良く「ニャン密」で寝ている。
妻が座るはずのソファだが、何の遠慮もなく「ニャン密」で寝ている。
それが猫なのだ。
三密は避けなければならないが、ニャン密は大歓迎だ。
◆プロフィール
雪下 岳彦(ゆきした たけひこ)
1996年、順天堂大学医学部在学時にラグビー試合中の事故で脊髄損傷となり、以後車いすの生活となる。
1998年、医師免許取得。順天堂医院精神科にて研修医修了後、ハワイ大学(心理学)、サンディエゴ州立大学大学院(スポーツ心理学)に留学。
2011年、順天堂大学大学院医学研究科にて自律神経の研究を行い、医学博士号取得。
2012年より、順天堂大学 医学部 非常勤講師。
2016年から18年まで、スポーツ庁 参与。
2019年より、順天堂大学 スポーツ健康科学部 非常勤講師を併任。
2020年より、千葉ロッテマリーンズ チームドクター。
医学、スポーツ心理学、自律神経研究、栄養医学、および自身の怪我によるハンディキャップの経験に基づき、パフォーマンスの改善、QOL(Quality of Life:人生の質)の向上、スポーツ観戦のバリアフリーについてのアドバイスも行っている。