土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
私の奥さんが介護の仕事をしていて、施設の仕事の様子を聞くことが多く、「自分にはできない仕事だなぁ」と思っていました。
そんな私がなぜ介護の仕事に入ったかというと、そこまで決定的にこれだっていう答えはないのですが、介護の問題に触れたのがこの仕事に就いたきっかけかも知れません。
2016年、私は京都のある介護殺人のニュースを見ました。
長男と母が二人暮らしで、あるとき母が認知症を発症。最初は、社会保険でなんとかやりくりをしながら、仕事と介護の両立ができていたのですが、長くは続かず、長男は会社を辞めることになり、金銭的に生活が成り立たず、母と一緒に死のうとしたという話です。
母を殺害した長男は一命を取り止め、裁判となりましたが、温情判決が下され刑は極めて軽くなりました。その後、母の分まで生きたいと誓ったが、再度訪れた生活苦で「自分と母のへその緒を一緒に焼いてほしい」とメモ書きを残し自殺。
この事件後、今の公的保障と自助努力に目を向けるようになり、介護が社会問題だと視覚から入っては来るようになりました。介護現場のイメージが全くない中、就職フェアで介護の仕事をしている会社をたまたま見つけました。介護の仕事というよりは、誰かの役に立てる仕事というイメージが強く、色々な問題を解決していこうという考えが強かったのと、一度介護現場は知っておいた方がいいかなぁと、ふわっとした気持ちで介護の仕事を始めてみました。
いざ現場に入ると、現場と研修のイメージが違いすぎて驚いたことを覚えております。
初現場では、クライアントとコミュニケーションがうまく取れず、無言のまま、呼吸器の音に不安を感じながら支援に同行させていただきました。
最初は、続けられるかなぁと不安を感じながら、今では沢山の現場に携わらせていただき、あっという間に3年が過ぎました。訪問介護は一対一で支援は行っており、常に横に誰かが付いてくれているわけではないのですが、見えないところでチームで繋がっており、お互いフォローしあっています。
この事業をきっかけに、一人でも多くの人が、広い意味で助け合い、分かり合える社会を作っていける可能性を日々感じております。クライアントもアテンダントも、時に笑って、怒って、お互い助け合って、楽しい日々を作り上げていきたいと思います。これからもまだまだ出会えていない人たちの支えになれるように日々焦らず、怒らず、怠らず、日々精進したいと思います。
義之博貴(ぎし ひろたか)
ホームケア土屋 奈良