土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
介護に携わった初めての経験は、祖父の介護だった。私自身まだ小学生だったため、特に大きく介護に携わったということもなく、話し相手や散歩の付き添いをしていたぐらいだった。主介護者は、母と祖母で、とても大変そうだ・・と子どもながらに思っていたことを覚えている。また、父親が単身赴任でいなかったこともあり、家族全体がピリピリしていたことは、今思うととても感じていたことだった。
10年ほどで祖父は亡くなったが、その頃私は大学の社会福祉学部に通っていた。
特に祖父の影響とかもなく、家から通えるところで、私の学力でも通えるところで、当時はその程度の考えだった。
ただ、今思い返すと、社会福祉学部以外にも通える学部はいくつかあり、特に家から通えるところということにもこだわっていなかった。家族からも「別に家を出ていい」との話を何度も聞いていたし、なぜ社会福祉学部を選択したのかは、今自分自身で考えても答えは出せないということがわかった。
もちろん、「何かこれをやりたい!」というようなやりたいこともなく、勉強がとても得意というわけでも勉強をもっとやりたいということもなく、ただただそのような自分自身のレベルの中で、ただただ「大学へ進学するか・・・」という程度のものだった。
その選択した理由はわからないが、私が社会福祉学部を選択したヒントになったことには、祖父の介護のおかげで介護・福祉という考えがとても身近だったこと、そしてそこで困っている家族がいるということを、目の前で感じることができたから。そして、自分でも何かできるのではないか、ということは漠然と考えていたのだろうとは想像ができる。
そのような漠然とした、特に強い想いもなく進学した社会福祉学部を卒業し、そのまま福祉の道を進んで15年にもなり、逆に福祉・介護以外のことをしたことがない。という人生だ。
そのような私自身の経験と人生の中で、今胸を張って言えることは、冒頭でお話した「祖父の介護」と「その家族」の経験は、自分の中でも覚えていることであり、家族のピリピリした空気はおいそれと忘れられないことだ。この経験をする方を少しでも減らしていきたいという気持ちは、今だからこそ、経験から感じているからこそであり、そのために介護・福祉で働き続けたいと考えている。
野呂 一樹(のろ かずき)
ホームケア土屋 関西