旅プロジェクト、いよいよ稼働へ!~朝日新聞朝刊・朝日新聞DIALOG・bouncyに掲載~ / 櫻井 純

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

難病の治療によりずっと入退院を繰り返しながら闘病していた生活をきっかけに、治療生活の中では介護制度では時間に縛られない旅行が難しい事を痛感した私は、同じく難病仲間と一緒に「誰でも、好きなときに、好きな場所へ」を目指して、病院の中から旅行会社「櫻スタートラベル」を5年前に起業しました。

1年のうち1/3は治療リハビリ、1/3は旅行活動・講演・意思疎通支援の活動、1/3は無理した体を休めながら現在社会参加と生活自立を目指しています。

「櫻スタートラベル」は、様々な困難や課題を私個人がお一人お一人のご自宅を訪問しながら、何かしらの病気や障害により外出が困難な方のご要望をお伺いし、ご旅行の手配から添乗員として旅行から帰ってくるまでをサポートする活動。旅行+ケアマネのような、こうした役割を「旅マネージャー」と呼んでいます。

今回、新聞等の取材を受けたのは、難病者の私が外に出て生活しながら当事者目線でお出かけに寄り添う活動の一部として、難病や「見えない障害」を伝えるきっかけになればと思ったからです。

大学生と公共交通機関を一緒に利用し、ディスカッションを通じて理解を広げるスタディーツアーに参加させていただきました。ヘルプマークユーザーとして、難病の当事者として、当事者の日常生活のリアルを学生にお伝えさせていただきました。

さて、私は現在、土屋のチームSDGsにて、土屋の強みを生かしてクライアントの旅の希望を叶える活動「旅プロジェクト」に取り組んでいます。

旅は、当事者の苦手な環境の変化に対応しながら配慮や介助が必要となる全ての動作や要素(移動・食事・排泄・更衣・就寝等)を含んでいます
。なので、高齢者・障害者・難病等、何かしら配慮が必要な方にとって合理的配慮を求めて出かけること自体が難しい現状があります。

「旅プロジェクト」は障害のある人もない人もみんなが一緒に安心して暮らせる社会作りを目指すきっかけ作り!
クライアントの外出や旅行など、不安も課題も協力しながら乗り越えて小さな希望が叶うようことをアテンダントのみなさんと一緒に目指していきたいです。後日、大々的に告知しますので、ぜひよろしくお願いいたします!

私自身もこれまで自身の重度訪問介護制度を利用して旅行を実現したことがないのですが、「旅プロジェクト」の取組みは障害者も高齢者もみんなと同じように差別や区別されることなく、生き甲斐や生きる楽しみを持って生活することへの挑戦。

結果として配慮が必要な方が地域と関わりを持つことで、障害理解が自然と広がり、暮らしやすい社会へと変わっていくことを願っています。

【朝日新聞DIALOG】
2021/08/09 「おせっかいなら任せとき!ヘルプの心を大阪から 学生と難病患者スタディーツアー」

2021/08/09 「助けて、助けられて…そんな大阪ええんちゃう?学生と難病患者 ディスカッション」

【bouncy―未来のライフスタイルを届ける動画メディア―】

 

◆プロフィール
櫻井 純(さくらい じゅん)
1987年 兵庫県加西市生まれ

12歳で急性散在性脳脊椎炎を発症。26歳で10万人に1人程度の割合で発病する慢性炎症性脱髄性多発神経炎を発症。29歳でシャルコー・マリー・トゥース病の診断を受ける。

常に治療リハビリが必要で一般就労が難しい状態から社会参加への強い想いを持ち、2016年難病障害当事者が運営する旅行会社櫻スタートラベルを起業。当事者目線で障害や疾患に配慮する旅行や働き方の取り組みが、産経新聞 ・The Japan Times・朝日新聞で紹介される。ジャパン・ツーリズムアワードビジネス部門(ユニバーサルツーリズム)連続入賞。

重複障害による筋力低下・感覚低下・激しい痛みがあり、現在も年間約120日程度入院やリハビリを継続。難病や障害の相互理解を促す活動として講演活動・失語症者向け意思疎通支援を行う。目に見えない障害や複数の難病と向き合う当事者の立場から、誰もが希望を持てる優しい社会づくりを目指す。

 

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