ハーモニアス カコフォニー(調和する不協和音)について / 新川勝美(訪問看護ステーション土屋 ゼネラルマネージャー)

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

緊急事態宣言下のなか東京でオリンピックに続きパラリンリックが開催された。
この開催について賛否はあれども、「土屋」で働くようになり、今回のパラリンピックには非常に興味があった。

スポーツをする上で努力や集中力などのメンタルもスポーツを追求する上では最も重要な要素になる。障害を受け入れ、今ある能力を磨き、その能力になるには相当な葛藤や努力があったと思う。

また、なぜそのような障害を負った理由や葛藤なども紹介されていた。その生きざまを知ることで障害者に対して先入観を排除し、またパラスポーツの楽しみを知った。そのためか閉会式は食入るようにテレビモニターの画面に見入ってしまった。

そのパラリンピック閉会式のコンセプトが「ハーモニアス カコフォニー」。意味は調和する不協和音だそうだ。それぞれの違いを認め個性を輝かせることで、不協和音を調和させていくという願いが込められている。

また、様々なアーティストと様々な楽器が融合したパフォーマンスで、すべての違いが輝く街「ダイバーシティ」が描かれた。
このテーマのダイバーシティは、「土屋」のビジョンである、「多様な声が聞こえる交響圏へ」と同じだ。

ケアサービスを広く遍く提供し、介護難民問題を解決する。ソーシャルインクルージョンの実現を加速させ、ダイバーシティーコミュニティを実現する。共感や理解を通して穏やかにつながりながら、個の自立性が保証されている、自由と規範が、多様性と全体性が共存する、オープンでありながら安全な、交響圏へと、共に歩んでゆく。

まさしく、このビジョンと同じことだと思った。

この中に出てくる共通の話題、「ダイバーシティ」。日本語に翻訳すると「多様性」でたくさんの有様のことだ。障害を持つ人や女性といったマイノリティの人たちに関する事ばかりではなく、考え方も人それぞれあり生活環境も多様だということだ。

私の周りでもこうした多様性の捉え方が進んできているものの、様々な物事の判断においてまだまだ旧態依然とした価値基準が残っていることが多々あるし、日本人は調和重視で多様性を受入れることを嫌がる。学校での体育は、足並みそろえての集団行動で行進をして、それが少しでも崩れるとひどく怒られたものだ。

しかし先日、美容室でファッション雑誌に目を向けた。その中に今までで初めてと言っていいほど衝撃を受けた。車いすに乗った30代の女性が読者モデルとなり、8ページほどのおしゃれな服の着回しという題目で特集が組まれていた。

5年ほど前に頸椎損傷になったようで、現在のほとんどが車いすという事であった。今は在宅生活が多く、ライフスタイルで上半身を映すという意味で起用されたようだが、障害を持つ人もおしゃれに楽しみ持つことがもっと広がるし、こういった事が普通に見られる世の中になっていったら良いな・・と。まずは、自分から何かできることを始めたい。

 

新川 勝美(しんかわ かつみ)
訪問看護ステーション土屋
ゼネラルマネージャー

 

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