友だち/お店に歴史あり③ / 浅野史郎

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

東京大学時代の友だちは、語学クラスで一緒だった望月邦計君と鍋倉真一君。

駒場のキャンパスから渋谷の繁華街まで歩いて出かけ、安酒場で飲み交わした三人組。ここに内田晴康君と平川修君が加わって五人組。「五人会」と称して、今でも年に1回は食事会をしている。

五人会のことを2016年3月4日(金)の「ジョギング日記」に書いていたので、それを転載する。

「新宿駆け込み餃子」にて、東大時代の同級生の「五人会」。静岡から駆けつけた望月邦計君も含め、きっちり五人集まって楽しいおしゃべりのひととき。

玄秀盛さんも加わって、出所者居酒屋の話を展開する場面もあった。

実は、これが幹事として会場をここに決めた理由である。内田晴康、平川修両弁護士にも興味を持ってもらえたらいいという思いもあった。

それはともかく、日程調整に苦しんでやっと設定できた会合である。楽しくないはずがない。「歌舞伎町なんて何十年ぶりだろう」という鍋倉真一君。

50年前に東大駒場で一緒だった縁で、こうして続いている縁を大事にしたい。

東大時代の同級生である木谷正道君と再会したのは、2007年3月。私が東京都知事選挙への立候補を考えている頃だった。

当時都庁勤めの木谷君に教えてもらいたいことがあって連絡したら、即座に対応してくれた。

大学で語学クラスが一緒だったというだけなのに、こんなに親身になってくれる。そんなことから、木谷君には恩義を感じている。

木谷君から声がかかると、私はすぐに駆けつける。大船渡での「第6回碁石海岸囲碁まつり」(2018年5月)にも参加した。

木谷君が立ち上げた「みらクルTV放送局」が開局した際には、私は「今、障害福祉を考える」という番組を引き受けるという形で協力している。

こんなことを通じて、今や、木谷正道さんは私にとってのもっとも親しい友だちになっている。ZOOMを通してだが、しょっちゅう顔を合わせて話をしている。不思議な縁だなと思いながら。

1970年(昭和45年)4月1日、私の職業生活は厚生省の役人として始まった。同期入省16人の中では真野章君と親しくなった。

配属が同じ公衆衛生局の企画課(真野君)と防疫課(浅野)だったことから、仕事上でも近い関係だった。仕事が終われば一緒に飲みに行く。

私が在米日本大使館勤務の時には、真野君は「ビッグコミック」が一杯入った荷物を送ってくれた。なかなかできないことである。

大使館の仲間で回し読みに供していた。おかげで私の株が上がった。

仕事を通じての友だちはたくさんいる。

北海道庁に出向している時に知り合ったのは小山内美智子さん。脳性まひの小山内さんは、札幌で自立生活運動を進めていた。「ケア付き住宅」の実現のために私と共同戦線を張った。

頭が良くて文章がうまい活動家でユーモアもある。あれから36年、今もお互いに尊敬し合う良き友人である。

「♫一年生になったら、ともだち100人できるかな♫」(まどみちお)。障害福祉課長になったら、友だち百人できてしまった。

その中でも、親友、心友、戦友と呼べるのは田島良昭さん。田島さんについては本一冊書けるほど、思い出が一杯ある。

ここでは、「障害福祉課長就任10日後に、奇跡的出会いがあった」とだけにしておく。

もう一人は佐藤進さん。同年齢ということもあり、気楽で気のおけない友人である。

私の出版パーティ開催の準備を一手に引き受けてくれることにも感謝している。今は、心臓ペースメーカー装着仲間でもある。

年金局時代、テレビで「年金なんてあてにならないから加入しなくていい」なんてことを言っているタレント?を見たので、テレビ局まで押しかけていった。

相手は残間里江子さん。年金に加入することはいかに大事かといったことを諄々と説いた。

それから1週間後、羽田空港で偶然出くわした。飛行機の出発を待つ間に話をしていたら、残間さんが私と同じく仙台出身ということがわかった。

そこから親しくなり、今日に至っている。残間さんは知事選挙の応援に来てくれたり、ATLで入院中の私の見舞いにも来てくれた。

「知事が友だちになったというのは何人もいるけど、友だちが知事になったのは浅野さんが初めて」といって笑う。

◆プロフィール
浅野 史郎(あさの しろう)
1948年仙台市出身 横浜市にて配偶者と二人暮らし

「明日の障害福祉のために」
大学卒業後厚生省入省、39歳で障害福祉課長に就任。1年9ヶ月の課長時代に多くの志ある実践者と出会い、「障害福祉はライフワーク」と思い定める。役人をやめて故郷宮城県の知事となり3期12年務める。知事退任後、慶応大学SFC、神奈川大学で教授業を15年。

2021年、土屋シンクタンクの特別研究員および土屋ケアカレッジの特別講師に就任。近著のタイトルは「明日の障害福祉のために〜優生思想を乗り越えて」

関連記事

TOP