2023年の抱負「初志貫徹」 / 佐々木直巳(経営戦略室)

あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。今年の抱負、それは「初志貫徹」です。この言葉を選んだ理由は、私たちの企業理念に、新たに、フィロソフィ(「生き延びる」の肯定)と、パーパス(つながりあいささえあう場の創造)が加わったことで、改めて「初めに決めた志を最後まで持ち続けること」の大切さを改めて実感したからです。

フィロソフィを最初に企業理念に持ち込んだのは、京セラの創始者、稲盛和夫氏だと聞いたことがあります。2010年、2兆円を超える戦後最大の負債を抱えて倒産に追い込まれたJAL(日本航空)の再建を任された際に作成したJALグループの企業理念を拝見すると、フィロソフィとは「全員が共有して持つべき意識、価値観、考え方」のことであり、これを実践していくことが企業理念の実現につながり、社員一人ひとりに経営意識が芽生えるのだと述べられています。

当社のフィロソフィは【「生き延びる」の肯定】です。このフィロソフィを実践することでアテンダントの意識や行動が変わり、会社の持続的な成長や業績の向上へと結びつくのだという想いが込められていると考えます。

パーパスは、存在意義を意味していて、元々は企業が変革をする際、あるいは存続する際のブレない軸となる考え方を示していますが、これには企業や組織だけでなく、個人にも関わります。

当社のパーパスは【つながりあい、ささえあう場の創造】です。これは、すでに掲げられている「ミッション」、「ビジョン」が未来に向けた実現すべき会社の姿であるのに対し、この「パーパス」では今の自分たちが何のために存在しているかを示しているものと考えます。

人と企業、両方の存在意義の接点をうまく重ねて、働く人々の価値観に寄り添いながら、この事業を通じた社会課題の解決を図る基本的な考え方が示されたのだと思います。自分の価値観にかなった仕事をしながらも、組織として、より大きな成果や社会への影響力を及ぼすことができるため、いつまでもやりがいと誇りを維持できる・・・という考え方だとも言えます。

何のために自分たちは存在するのか、社会のために何ができるのかという、個人と社会との関係性において改めて自分たちの存在意義と向き合い、メインである障害福祉事業を通じて、社会が抱える課題の解決に取り組むことを目的に掲げています。

アテンダントもクライアントも、その社会全体に関わる全ての人々の幸せを意識し、企業としてどのような持続可能な価値を提供すべきなのかを見つめ直す。今一度、自らの存在価値を再定義して、単なる計画だけでなく、実際の企業経営にどのように落とし込むのか、「初志貫徹」の強い意志をもって課題解決に立ち向かう。それがいま、まさに求められているのだと思います。

創業期から早いもので第4期を迎え、いよいよ本格的な成長期に移っていく当社にとっては、昨年同様、未来を牽引していくリーダーの育成はもちろん急務ですが、それと共に、大事な経営戦略として、そこはやはり、「小さな声を探し求める」という、具体的なアクションが成長のためにはとても必要なのだと改めて思い知らされます。

まだ出会えていない利用者に注目できるかどうか。需要はあるのにそのサービスが十分に受けられない、あるいは弱者ゆえに様々な事情から発信できずにいる、その当事者のニーズを見過ごしていないかどうか。そして現在の経営戦略がビジョン達成に向けて正しく舵を取っているかどうか。
【初志貫徹】の言葉を意識しながら、今年もまた、一つ一つの課題を見つめ直していきたいと思います。

プロフィール

佐々木 直巳(ささき なおみ)
経営戦略室・執行役員

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