株式会社土屋 第一回賞与について / 高浜敏之

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

1月29日の金曜日に株式会社土屋がスタートして第一回目の賞与を支給させていただきました。

今回は、全常勤スタッフを対象に、基本給と固定手当の1か月分を保証させていただきました。

株式会社土屋が事業を開始したのが2020年11月です。つまり事業が始まって3か月しか 経っておりません。もちろん会社には賞与を支給するためのお金はありません。

しかし、私たち経営陣としては、このコロナ禍において、命の現場を支えてくださっているアテンダントの皆様と、バックオフィスを支えてくださっている本社スタッフの皆様に、何とか報いたいという想いが強烈にありました。

そんな私たちの想いをご理解いただき、その想いに応えようとご尽力いただいた金融機関の皆様のおかげで、今回の常勤スタッフに対する1か月分の賞与の保証を実現することができました。

立ち上がったばかりの会社にも関わらず、金融機関の皆様が融資を決定してくださった背景には、事業計画の精緻さや会社の財務状況の見通しの明るさ、そして株式会社土屋の経営理念に対する共感と評価のみならず、コロナ禍において命の現場を支えてくださっているアテンダントの皆様に対する深いリスペクトがあったことは疑いようがありません。

この場を借りて、ご理解ご協力いただいた金融機関の皆様、三井住友銀行岡山支店、おかやま信用金庫本店営業部、トマト銀行井原支店、広島銀行井原支店の担当者の皆様に、株式会社土屋のスタッフを代表して、深く感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

また、私たちの力不足で今回賞与をお支払いすることができなかった非常勤スタッフの皆様に、株式会社土屋経営陣を代表して、改めてこの場を借りて深く謝罪させていただきます。

本当に申し訳ございませんでした。

次回賞与は2021年6月を予定しておりますが、その際には常勤スタッフ同様に命の現場を支えてくださっている非常勤スタッフの皆様にも賞与を支給できるよう、全力を尽くすことを、この場にてお約束させいただきます。

20年前に障害者福祉の世界に入りました。「金じゃない、志だ。」と嘯きながら社会的弱者の生活と権利を支えるため献身的に努力してきたつもりでしたが、次第に「支え手である自分自身の貧困」に気づいた仲間たちが、結婚や出産などのライフステージの変化と共にこの業界を去っていきました。

そんななか、「やりがい搾取」などという言葉も流行し、「貧困にとどまる美学」だけではこの業界自体がやがて衰滅していってしまう、ということに、遅ればせながら気づき始めました。

現場を支えてくださっているアテンダントの賃金の底上げと、またキャリアパス制度の構築による希望ある未来の提示が、この業界の宿痾のような人手不足問題の解決と、それからケアを受けたくても受けることができない方々が日本中に溢れている介護難民問題の解決の最も重要な方途であることを信じて疑いません。

命の現場を支えてくださっているアテンダントの皆様が感じる疑いようのない「やりがい」に甘えることなく、限られた報酬単価のなかで、経営を維持発展しながら、どうすればスタッフの皆様の待遇をさらに改善することができるか、妥協なき追求を今後も継続していくことを、ここに約束させていただきます。

株式会社土屋
代表取締役 高浜敏之

 

◆プロフィール
高浜 敏之(たかはま としゆき)
株式会社土屋 代表取締役 兼CEO最高経営責任者

慶応義塾大学文学部哲学科卒 美学美術史学専攻。

大学卒業後、介護福祉社会運動の世界へ。自立障害者の介助者、障害者運動、ホームレス支援活動を経て、介護系ベンチャー企業の立ち上げに参加。デイサービスの管理者、事業統括、新規事業の企画立案、エリア開発などを経験。

2020年8月に株式会社土屋を起業。代表取締役CEOに就任。趣味はボクシング、文学、アート、海辺を散策。

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