変化することを恐れない / 古本聡(CCO 最高文化責任者)

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

私たちの新生土屋が本格的に出帆してから早や4か月が経とうとしています。その比較的短い期間に、私たちは実に多岐にわたる変化を経験してきましたし、それらの変化のプロセスは今もなお進行中です。正に怒涛の4か月間と言えるのではないでしょうか。

そして、それらの変化は、新生土屋が掲げる崇高なミッション「私たちは探し求める、そして応え続ける、いまだ出会わぬ小さな声に」を社員・スタッフ皆で共有し、これの着実な遂行に向けて動き出すためのものなのです。

具体的には、様々な新規システムが導入され、Webミーティングが活発に行われるようになり、またコンプライアンス、リスクマネージメント、ハラスメント対策、防災など、各種委員会も立ち上げられ、それらの活動は軌道に乗りつつあります。さらには採用も拡大されています。社内の変化はこれからも続くでしょう。

上で述べた変化に加えて、私たちにとって非常に大きな衝撃となった変化がありました。それは、言うまでもなく、コロナ禍の襲来です。これにより私達だけではなく、日本中の人たちの仕事の仕方も、生活の仕方も激変したと言っていいでしょう。この変化プロセスもまた、状況がどの方向に向かうのかまだまだ分からない中で、継続中と言わざるを得ません。この変化にだけは、心労のみが溜まっていきます。

変化…、人はこれに本質的に弱いと言われています。企業でも一個人でも、人は経験を積んでいくことで、自分独自の型(かた)を造り出し、それを盤石にして足固めをし安定を志向します。そうです、人間、特に私たち日本人のような農耕民族は、この安定というものを非常に好むようです。

しかしながら、今のような環境や状況が目まぐるしく転化(てんげ)していく中にあっては、これまでの型による足固めのやり方だけでは最早通用しなくなってきている面があるのも無視できない現実です。そうならば、どうすればよいのでしょうか。

一定の環境で生活を営んでいるとき、不意に何らかの変化が訪れます。その変化に慣れないうちは不安で心細くてしようがなくなります。まるで、豆腐のようなふわふわとした地面を歩かされているような気持ちになり苛立ちさえ覚えることでしょう。

やや突飛な話かもしれませんが、私は以前より、企業も人も、脱皮をしながら成長していく、そうして環境の変化にも順応していく甲殻類または昆虫に似ていると考えてきました。企業も人も自分の営みを継続していくことが必要です。この継続とは、この場合、現状維持ではなく、日々の成長の繰り返しであり、脱皮をしながら、古くなった細胞を捨て去り、新たな柔らかい細胞を生成しながら、強く存在し続けることではないかと思うわけです。

そして、環境の変化は、そのような脱皮、成長を促す、時にはマイルドで、また時には強烈な刺激だとも考えます。また、自分の成長は、環境の変化に応じた自分の変化だとも。

ところで、私は統合課程で担当している講話の中で、進化論を唱えたイギリスの生物学者チャールズ・ダーヴィンに触れます。優生学なるものを編み出した、ダーヴィンの従弟のフランシス・ゴルトンについて説明するためですが、ダーヴィン自身は、優勝劣敗説を広めようとしたのではない、ということが明確に分かる彼の言葉が残っています。彼はむしろ、環境の変化をサバイブできるかどうかの決め手となるのは、自らが変化する能力だと言っているのです。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。」(チャールズ・ダーヴィン)

この言葉は、私が本稿で伝えたいと思ったことでもあります。

最後に一言付け加えておきます。

「変化があなたを成長へと導きます。そして成長はあなたの変化でもあります。その際、あなたが自分を変化させようと考えたその瞬間から、あなたは既に変化し始めているのです。」

 

◆プロフィール
古本 聡(こもと さとし)
1957年生まれ

脳性麻痺による四肢障害。車いすユーザー。 旧ソ連で約10年間生活。内幼少期5年間を現地の障害児収容施設で過ごす。

早稲田大学商学部卒。
18~24歳の間、障害者運動に加わり、障害者自立生活のサポート役としてボランティア、 介助者の勧誘・コーディネートを行う。大学卒業後、翻訳会社を設立、2019年まで運営。

2016年より介護従事者向け講座、学習会・研修会等の講師、コラム執筆を主に担当。

 

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