強さと弱さ / 池田憲治

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

サッカーをする中で本当に多くの人と関わり、様々な影響を受けてきました。

いろいろな刺激に揉まれながら、時に悩みながらも成長することができたと感じています。

そして、ある男と出会うことで「強さ」について考えるきっかけになります。

ある男をKと呼ばせてもらいますが、そのKも同じサッカー部の所属です。

100人を超える部員の中で、目立つ選手ではありませんでしたが、よく自主練してるなと思っていました。

学部も違ったので、大学3年生まで特に話したことのない存在のK。

そんな時、サッカー部から驚きの通達が出ました。

「練習態度のよくない選手は、強制退部させる」というもの。

実はこれは仕方のないことで、一部の選手は練習には来ず、試合だけに来る。

サッカーをやらせれば上手だったので、試合は仕切るという状況が続いていたのです。

そして、その強制退部のメンバーにKが含まれていました。

確かにあまり上手とはいえない選手でしたが、いつも練習に来ていたことは知っていました。

頭にきたので、コーチに事実確認をして、Kに連絡を取りました。

一緒に監督に話しに行くぞ、と。

しかし、最終的にKはサッカー部に復帰はしませんでした。

いい区切りができたといって、バイトに精を出し、世界へと旅行に飛び立ちます。

このことを機に私とKは仲良くなり、よく一緒に遊んだりしました。

休みの日にはサッカー部の練習場に忍び込んでサッカーをしたり、Kは車を運転していたので一緒にドライブに出掛けたり。

そして、遊んでいく中で気がついたことがありました。

それは。。。。私にだけは態度が大きいということ。

他のサッカー部の同級生が来ると、すごい気を使って、たまに敬語なんか使っちゃうような K。

サッカーでもそのメンタリティは発揮されていて、プレーは小さくなり、本来の力が発揮で きていません。

当時の私が思っていたのは、メンタルの弱いKということです。

ただ時々、そんなKを羨ましく思うこともありました。

Kはすごく素直な人間で、自分の弱さや出来ないことをどんどん話してくるんです。

私から見たら、本当に自分らしく生きているなと感じてしまうんですね。

強さとは、折れない心であり、自信に満ち溢れたどーんとした感じ。

と考えていた私にとっては、新たなタイプの友人となりました。

心が折れても復活できる強さ、自分の弱さをさらけ出せる強さ。

そういった考えを持たせてくれる友人でした。

おそらくKは、私がこんな目線で見ていたなんて想像もつかないでしょう。

もう何年も会っていませんが、今度会ったときはお酒の力を借りて実は。。。と話してみるのもいいかもしれませんね。

 

池田 憲治(いけだ けんじ)
ホームケア土屋 中国

 

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