土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
私の新生土屋におけるビジョンは多様な人が心を健康に働くことのできる企業になることです。
リモートワークが導入されてから、場所を問わずに働くことが可能になりました。以前は、一つの会議に参加するのに移動そのものの時間とプラス30分の余裕を計算してのスケジュール調整でしたが、今はミーティングの一分前まで別の仕事をしていても遅刻することなく次のミーティングに参加することができるようになりました。
そして、ノマド環境を探していた時間や電車の乗換・乗車時間がなくなり、その時間をそっくりそのまま自分の業務に充てられるようになりました。この環境の変化は、工夫の仕方次第で雇用の機会を増やせ、またそれにより現在滞りがちな業務が円滑になるのではと期待しています。
以前から課題なのですが、ボトルネックの一つは書類関係の業務です。介護・福祉の仕事は肉体労働と感情労働に重きがあるように見えますが、書類関係の頭脳労働も意外とあるというのが実感で、役職者には必ず制度や知識の習得が必要になります。また、それらを理解できても実行に移すときにパソコンや関連ソフトを使う必要があり、ITスキルという別のハードルがあったりもします。
また、マネジメント業務においては、マネージャーは体が一つしかないので多数のタスクに優先順位をつけなくてはならず、後回しにした人間関係の不和の仲裁が、後回しにしたがゆえに大事になってしまい、その事態に気づいたマネージャー自身が苛立ちを周囲にぶつけてしまうようなことも起こってしまいがちです。
現在、私所管のコンプライアンス関連業務においては、内部監査部門を立ち上げ、各地の現状把握に着手していますが、事業所数が40近いので確認作業もなかなかのボリュームになります。それゆえ、各地の責任者の方々には必要事項のクラウド管理に協力していただき、また研修の機会を設けてボトムアップを図ることで、抜け漏れを防ぐようにしています。
これからは、更なるペーパーレス化を期待し、近い未来、事業所に一枚の保管書類もなくなることを目指したいです。そうなることで、働く場所に制限のある方々が管理業務に関与しやすくなると思っていますし、もし障害をお持ちの方がこの分野に興味をもってくださったら是非一緒に取組みたいと思っています。
また、介護現場としても職場としても発生しがちなハラスメント事案はそれぞれが抱えるストレスが発生の種となっているように思います。不調和を解消すべきマネージャーが、何らかのプレッシャーを抱えていて、その不安のはけ口として自らの職位を使ってパワハラをしてしまう可能性もあるので、メンタルヘルスは誰にでも課題なのだと思っています。
また、誰もがハラスメントはやりたくてやっていることではないので、その人の抱える不安やストレスを和らげて心の健康を取り戻すことも、ハラスメントの抑止につながると思っています。
私の主宰するハラスメント・虐待防止委員会においては、起こってしまった事案の対応と、いかに抑止できるかということにも注力したいと思っており、それにはセルフコントロールとカウンセリングの両方が必要だと感じています。なので、定期的な研修の機会を設け、必要時カウンセリングを受けることのできる体制を整えたいと思っています。
そして、カウンセラーは可能な限り多種多様な方に依頼させていただき、様々な視点からのアドバイスを受けられるようにできればと思っています。さらに、カウンセリングの対象は職員とクライアントの両方にして、中立かつ対等に双方の話を聞けるようにしたいです。そして、この取組みが株式会社土屋に関わる方々の心の成長につながり、どの人にとっても株式会社土屋が健康な環境となることが理想です。
当社のバリューの一番目は、「優しく、そして、強く、品位をもって、他者と関わる」です。自己評価としてはまだまだだなと思うのですが、これを目指している気持ちは確かであり、また会社として掲げるバリューなので、株式会社土屋の全員がこの意志を持っていると信じています。
それゆえ、私の株式会社土屋への貢献は一部ではあるものの、その他の部分は同じ価値を持つ各種委員会、取締役・執行役員のメンバー、各地管理者と全国のアテンダントが埋めてくれるという心強さと安心感を持つことができています。
企業とは樹のようだと思います。それは、人や動物には寿命があるが、樹は生育環境が良ければ永遠に育ち続けると聞いたことがあるからかもしれません。だから樹は樹齢何百年にもなり、年輪は瘦せることなく太くなっていくのだと。
私は自分自身のビジョンを持ちつつ、この株式会社土屋が後世に残る企業になることを夢見ています。
吉岡理恵(よしおか りえ)
CLO 最高法務責任者