土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
記念すべき東京オリンピック・パラリンピックが幕を閉じてもうひと月以上経つ。
パラリンピック閉会式のコンセプトが「調和する不協和音」であることを知り、「不協和音?不快な音?それを当てはめる?」初めに抱いた印象がこれだ。
どうしてもこのコンセプトが腑に落ちずネットを検索し始めた。
およそオリパラ関連の記事が表示される中、ある一つの動画を見つけた。
タイトルは「A Harmonious Cacophony」。
フィラデルフィアで壁画アーティストをしているおじさんがメキシコで地元の人たちにモザイクアートを教えているというような内容で、具体的には「みんなで集まって2日かけてタイルをハンマーで壊し、その破片を壁に貼り付けたら次の日にはカラフルな色を塗って壁画の完成」というものであるが、このおじさんも含めて参加している人たちは真剣でとても楽しそうだった。そしてこの動画に対するコメントも「素晴らしい~」とか称賛するものがほとんどであった。
動画タイトルからみておそらくは「タイルはばらばらだけど壁画にすると調和がとれ素晴らしい作品ができあがる」ということなのであろう、アーティストのおじさんも「タイルはシンフォニー(協奏曲)でありカコフォニー(不協和音)である」と言っている。
なるほど、カコフォニーとは不快とはまた違うニュアンスなのだな…。
少なからず不協和音はけっして不快な音というわけではなく「それぞれが異なった」ぐらいの意味合いで捉えるとすれば、一人一人が持つそれぞれ異なった個性があるとき何かをきっかけに調和するとそれはそれは素晴らしいものになる、といったところであろうか。
もしくは、不協和音だと思って聴いていたが、それが徐々に変化し、いつの間にかハーモニーを奏で、聴き終わってみれば素晴らしい曲だった、という感じかもしれない。
新型コロナウィルスの影響で予定どおり開催されなかった、あるいは感染拡大が懸念されるなか半ば強硬的に開催された東京オリンピック・パラリンピックであるが、パラリンピックのみならず何年もその日のために準備をしてきた選手や大会関係者の努力が調和した大会であった。
しかし、検索中に出てきたパラリンピック閉会式についての記事の中には私と同様の印象を持つ人たちのコメントも多く、若干ネガティブ感が漂っていた。
「ハーモニアス カコフォニー」についてタイル壁画の動画は私を理解させ納得させたが、そこまでしないとわからない、ここまで注目を集める大会のコンセプトっていったい…。
製作者や企画者の思いが強すぎたり、考え方が偏ってしまったりすると周りから疑問視されることがある。
ひとりよがりにならぬよう、我々のチームもメンバーそれぞれが持つ音色で美しいハーモニーを奏でたいものだ。
五十嵐 憲幸(いがらし のりゆき)
ホームケア土屋 東北