『異端の福祉』を拝読して / 武末哲彦(ホームケア土屋 大分)
初めに、この本を拝読して、共感と安心を得ることが出来ました。
なぜそう思ったのかと言うと・・・
2021年10月、ご縁があり入社させて頂いたのですが、それまでは介護の世界とは全く無縁で、「老人ホームというのが世の中に有るよね」程度の認識しかなく、ましてや「重度訪問介護???」と言う感じでした。
私自身は、特別な資格(医者、弁護士等)が必要な仕事には対応できないものの、一般的な仕事は「人がやっている事なので出来ない訳がない」と思っていて、特に業種にこだわらず、より給与の良い仕事を探していた時、土屋の求人をネットで見つけ、仕事内容も解らず給与が良いという一点で応募し、初めて福祉業界へ足を踏み入れました。
実際に福祉の仕事をスタートさせると、仕事内容として、手技は難しいものではないのですが、クライアントに寄り添った見守りに一番時間が掛り、大切なのだとすぐに感じました。
というのも、クライアントも普通の人なので、初めて会った私に最初は社交辞令で愛想よくしてくれますが、すぐにそれもなくなり、それからクライアントやそのご家族と良好な信頼関係を作るまでにかなりの時間や労力、気配りが必要だなと実感したためです。
一般的な企業団体でも人間関係や信頼関係は必要ですが、同じ目的を持った仕事を行う為に必要な手段としての関係が主であると思います。 介護における信頼関係は、クライアントの生死や生き方までに影響を及ぼす根幹部分ではないのではないかと感じ、今は入社時に考えていなかった「やりがい」や「必要とされている」を非常に感じる事ができています。
本の中に、「高い給料を支払うことでサービス品質を高める」「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」と書かれています。
入社時の集合研修で、志望動機は?という問いが有り、意見を求められたほとんどの方が、「人に役に立ちたいから」「祖父(祖母)のお世話が好きだから」等々、すごく耳当たりの良い志望動機を言われていた事に、すごく違和感を覚えました。
勿論、その様な志望動機は素晴らしいとは思いますが・・・
私は、求人時の給与に釣られて入社を決めたのですが、決して悪いことではないと思っています。勿論、給料泥棒みたいな事ではなく、ちゃんとした求められる仕事をする代わりに、相応な対価を得る事は、非常に大切な事だと考えているからです。
この様な背景を持ちながら、高浜社長が出された今回の本を拝読していくと、介護の大切さややりがいに共感し、お金はとても大切と思われている事に安心しました。
まだ介護の分野に関しては経験値が全く足りていませんが、絶対に必要な分野である一方で、非常に遅れている分野でもある事はヒシヒシと肌で感じています。年齢的に考えて、あまり出しゃばらずに粛々と仕事をしようと考えていましたが、もう少しギアを上げて仕事の幅を広げ邁進していこうと今は考えています。