【異端の福祉 書評】福祉はボランティアでも清貧であってもならない / 浅井麻衣子(ホームケア土屋 浜松)

福祉はボランティアでも清貧であってもならない / 浅井麻衣子(ホームケア土屋 浜松)

お給料が倍になりました‼︎大げさな表現ではなく、現実です。

前職は、市内で一番大きな病院に勤務しておりました。無資格の看護助手として勤務しておりましたが、低賃金でした。大病院でしたので、長年勤務をすればお給料がそれなりに増えていくと思っておりましたが、十年以上勤めている方が「引かれる物が増えて、そんなに変わらないよ」とぼやいておりました。

助手の間でもみな「お給料が安すぎる」と口を揃えて言っていましたが、ボランティア精神や良心、転職が面倒という理由から我慢して辞めない人がほとんどでした。

大病院ですので、福利厚生や組合がしっかりしているという事も理由の一つでしょう。そして、資格取得してもお手当がつかず、しかも資格取得費用も自腹だし、取っても意味ないよねと、みな資格取得しようとしませんでした。

仕事は何でも屋のように激務でした。医療行為以外は全て助手の仕事で、日々時間に追われていました。コールはバンバンなるけど、訪室すると、「シップ貼って」や「薬塗って」など、簡単な事でも医療行為なので、助手さんは出来ないので、「お待ち下さい」とお待たせし、担当看護師を呼びに行く事の繰り返しでした。

待たされるのが面倒な患者様や、今すぐして欲しい患者様は、「黙ってるから、やって」とおっしゃいましたが、「決まりなので申し訳ごさいません。」と丁重にお断りしなければなりませんでした。

患者様の今◯◯して欲しいに答えてあげられない事のもどかしさを日々感じておりました。特に、気管切開をされている患者様の「痰とって」や、カニューレが抜けたなどのコールには、すぐ対応出来ない事が申し訳なく感じておりました。

看護師だったならな。と強く思いましが、今から二年間、収入が減り猛勉強するには、夫も子どももいる私には現実的ではありませんでした。しかし、株式会社土屋に入社し、私の不満に感じていた事が全て叶いました。

患者様(クライアント)の今◯◯して欲しいに、すぐ応えてあげられるのです。どんな小さな声も、一対一ですぐに対応する事が出来るのです。そして、お給料も倍になりました。こんな一石二鳥のような事が現実になりました。

しかし、現状に至るには、障害者の方々が勇気を出し、声を上げた事、障害者運動、法整備、障害者に関わる沢山の方々の努力があってこそだと思います。感謝しかありません。

福祉は根底に善意があるべきですが、仕事にしている以上、ボランティアや清貧であるべきではないのです。

私事ではありますが、主人はうつ病(定期的にキレて暴れたりする)、長女は知的障害(ADHD)です。ある日、母に「あなた、家でも仕事でも人のお世話ばかりして…大丈夫?」と心配されました。

しかし、その時に気づきました。私は人のお世話をする事で、自分の存在価値や存在意義を感じているのだと。

介護・福祉は夢のある素晴らしい仕事です。重度訪問介護は、クライアントも家族もアテンダントも、みながピースフルになる仕事です。

最後になりますが、株式会社土屋の経営理念のお話の中で感銘を受けた言葉があります。
「社会の役に立つほど事業が成功する。事業が成功するほど社会の役に立つ。」
こんな素晴らしいお仕事が出来る事に、日々幸せを感じ、充実した日々を送らせていただいております。

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