【「小さな声」を探し求める―「個」が躍動する組織のつくり方― 書評】第2回 S1グランプリ

私のやり甲斐

この書籍を読み終えて、前職が介護とは全く違う職種の方々が多いのだと、そしてその過去の経験や身近な人からの助言が活かされ、その経験をしていなかったら、介護という世界に足を踏み入れることはなかったのだろうと思いました。

接客で身につくコミュニケーション能力、マーケティング経験で、何を求められているかを考える力。
どの仕事も、無駄な経験は何一つないのだと、自分が今までしてきた仕事に少しではありますが、誇りに、自信に思うことができました。

社会人になって10年以上は経ちますが、今まで自分の仕事は人の役に立っているのだろうかと疑問を背負いながら仕事をしてきました。

飲食店での接客、ホームセンターでの接客を含め、自分はお客様の役に立てているだろうか、自分のコミュニケーションの仕方は、姿勢は、不快ではないだろうか。

後々そう考えることが多く、毎日頭はパンク寸前でした。

ある時、祖母から突然、「介護の仕事をしたらいいのに」と言われたことがありました。
私は勉強が苦手で、勉強はもうしたくないなぁとの思いもあり、その場はいつもはぐらかしていました。

でもある時、母から「介護施設の簡単な手伝いをしてくれないか」と頼まれ、何も考えず現場に向かい、言われたことを淡々とこなす中で、施設に入っておられるおじいちゃん、おばあちゃんと話す機会が格段と増え、祖母からの言葉が胸に引っ掛かっていることに気づきました。

それからしばらくして、通信制の介護の資格の勉強を、祖母に内緒で始めました。
今までの勉強に比べると、興味が湧くことが多く、学んでいくたびに楽しさを覚え、「介護の仕事は自分に向いているのでは?」と勉強や施設で作業しながら思っていました。

無事に資格取得し、祖母に報告すると、笑顔で嬉しそうに「おめでとう、すごいねっ」とお祝いしてくれました。

その頃、祖母はパーキンソン病が進行しており、介護がいる状況でした。
この時、私は祖母の為に資格を取ったのだと、これでやっと手伝えることが増えたと、嬉しく思いました。

祖母の家に行くたびに話をしたり、一緒にお風呂に入ったり、祖母はとても嬉しそうで、「ありがとうね」と毎回言われて私の心も満たされました。

施設に就職し、改めて介護は私の天職だと思いました。
「ありがとう、助かったよ」、その言葉や表情で私の心は満たされていましたし、介護の仕事にやり甲斐も感じていました。

でも、いつからか一人ひとりと向き合って、ゆっくり話を聞いてあげたい、もう少し手を差し伸べてあげたいと思うようになりました。

それからは訪問介護の仕事を探して、この重度訪問介護を学んでみたい、ここで仕事をしてみたいと思いました。

一対一でゆっくり話を聞いてあげられ、クライアントのペースに合わせて作業ができる。

施設では流れ作業になってしまう部分も多くありますが、在宅で一対一でクライアントを見ることができる、私にとっても気持ちよく仕事ができる、やりがいのある職場です。

今までしてきた経験が少しでも今の仕事に活かされて、クライアントの役に立てていたらいいなと思います。この書籍を通して、改めてこの仕事を誇りに思います。

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