土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
さっきのお昼のニュースで、気象予報士さんが天気図を見ながら「明日の夜中から豪雨かもしれません。」と解説をしていた。その声を聞いて、私はため息をついた。「マジかよ。今日もあんま寝てないのに・・。今日しか安眠デーないやん。」
そう。私は今、凄まじい眠気と戦いながらこれを書いている。なんで、寝てないのかって?「原稿に追われてたから。」とかカッコよくサラッと言いたいけど、キャラじゃないし、事実じゃない。そもそも、私の原稿を1番最初に受け取ってくれる人は、めちゃくちゃ優しいのでそんなことは言わない。この凄まじい睡魔の原因は「音」である。
昨日は、ぽたぽた落ちる水滴の音で眠れなくなった。それは、台所にあったスポンジから、発せられていたらしい。迷惑なスポンジである。もちろん、私が寝ている部屋と台所は扉で仕切られている。普通は、聞こえないらしい。私は、耳が良すぎるのだ。
音響過敏という身体の特性もあると思う。他人には、小さく聞こえる音量がとても大きく聞こえたりするらしい。雨の音とか風の音とか。そして、夜間1人で過ごす私は、ベットから動くことができない。
「音」の正体を確認できないことが、私の恐怖心に拍車をかけ、今日は3時間睡眠でしたな。眠い。しかし、豪雨らしい明日の夜中は、「スポンジの水滴」なんていう雑魚キャラを一瞬で吹き飛ばすラスボスを連れてくるだろう。それは、「雷」である。
私が、この世で一番嫌いなものは突如なる大きな音。例えば、友達に後ろから「わっ!」とされると、私は車いすの座面から数ミリ浮き上がるらしい。あと他には、ポン菓子をつくる機械。
私はギリッギリではあるが、平成生まれである。暮らしてきた地域と合わせてあまり出会うことがなかったのだ。ところが、市営住宅に引っ越してから地域交流のためなのか、たまたま販売ルートなのか、頻繫ではないものの、ポン菓子やさんがやってくる。ホントに勘弁してほしい。
最初にあの音を聞いたときは、何か爆発したのかと思ったし、持ってたコーヒーぶちまけたもん。ズボンの上でよかった。
でも、やっぱり、ぶっちぎって怖いのが、雷である。あの「どぉぉん。」っていう地響きで100%身体に緊張が入るので、できることなら本気で撲滅させたい。とはいえ、気象現象なので不可能だ。
そのため、寝ることはできなくとも、雷タイムをやり過ごす必要がある。そこで、私が頼ったものが「落語」である。音楽だと、雷の音で過敏になった聴覚が嫌いな音域みたいなものがあって、(個人の感想です。)違和感を感じるときが多い。それが、落語だとあまり感じないのだ。
私の耳に合ったのは、桂枝雀さん。音源にお客さんの声が入っていても違和感は感じなかった。すごいなぁと思った。おもしろいし、音量を大きくしても大丈夫だったしね。
枝雀さんの落語は、母の影響でいつの頃からか聞くようになった。古典落語に出てくる昔の船場言葉のテンポや噺の内容でも「あっ。落語っておもしろい。」と感じたけれど、母がニヤニヤしながら勧めてきた枝雀さんの「佐々木裁き」や「花筏」は別次元でおもしろかった。
扇子で「トン」と床を叩けば江戸時代にタイムスリップし、スキンヘッドのおじさんが頭を下げて三味線が鳴れば、現実に戻ってくる。すごい伝統文化だなぁ。噺の内容を書いてもおもしろさは伝わらないと私は思うので、機会があれば是非聞いてほしい。
音響過敏のせいで、しんどいことも多いけど、耳の良さのおかげで落語や声優さん等、好きなことも見つかった。そのため、プラマイゼロかな。とも感じる。しかし、天気予報を見ていると明後日は徹夜コースだと思うので、せめて今日は寝れますように。ふぁぁ。眠みぃ。
◆プロフィール
鶴﨑 彩乃(つるさき あやの)
1991年7月28日生まれ
脳性麻痺のため、幼少期から電動車いすで生活しており、神戸学院大学総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科を卒業しています。社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持っています。
大学を卒業してから現在まで、ひとり暮らしを継続中です。
趣味は、日本史(戦国~明治初期)・漫画・アニメ。結構なガチオタです。