土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
『探し求める小さな声をありったけの誇らしさとともに』
今回はこの中の小さな声にスポットを当ててみたいと思います。
探し求める小さな声という言葉を初めて聞いたとき少し違和感を覚えました。
なぜ探さないといけないのか・・・
日本の介護の歴史は1963年に老人福祉法が制定されスタートしました。
それから半世紀が経とうとしていますが、時代の流れや国の成長の中で介護の形も変わっていきました。
一番の変更点は、必要なサービスを選択するのが行政から要介護者自身の選択となったことです。
要介護者が選択するといってもすべての要介護者がその選択をできるわけではないので、その家族を含むということになります。
私が子供のころ、祖母が自宅(祖母の自宅)で要介護生活をしておりました。
介護者は母の兄の嫁さんでした。
この時代では家族が要介護者の介護をすることは当たり前でした。
そしてそれをやってきた、見てきた人たちは今でもこれが当たり前だと思っている。
これが現実です。
先日、障害のある息子さんの介護が始まるご家族と話をする機会がありました。
その時もお母様は、自分が(自分たちが)最大限に介護しなければならないと考えておられました。
そのため重度訪問介護を含めた介護制度の説明をさせていただきましたが、それでも自分たちが介護すべきだと思われているように感じました。
今では介護とは要介護者だけの考えではなく、その家族の人間らしい生活も一緒に考えなければいけないものとなっています。
それなのに、要介護者本人は声を発しているのに、ご家族が遠慮することでその声が小さくなって消えてしまっている。
改めて現実を痛感しました。
私たちの使命はこういう小さな声をしっかり拾っていくことであり、理想は拾わずともその声が誰にも届くような世の中になるよう日々の支援と共に重度訪問介護の認知度をあげることであると考えております。
石井 政充(いしい まさみつ)
ホームケア土屋 東海