土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
あけましておめでとうございます。新年がスタートし、経営戦略室もようやく本格的に稼働し始めました。
創業期を経て第3期を迎え、いよいよ成長期に移っていく当社にとっては、まずは上場を視野に、未来を牽引していく次世代のリーダー育成が急務となるところですが、それと共に、大事な成長戦略について、取り巻く環境からくる課題はあるのかどうか。これまでの施策や方向性の舵取りに誤りはないのか、この機会に再確認し、今年の抱負とあわせてお話しをさせていただきます。
どのような会社でも、成長発展のためには常に、新商品あるいは新サービスの開発が必要です。理由は主に2つあるとおもいます。一つは変化する環境に対応するため。二つ目は顧客に(これは既存にも、新規にもですが)常に飽きられないような囲い込みのためです。
しかし、そうは言っても私達は医療福祉の分野ですので、ここは商品開発やサービス開発という観点ではなく、ミッションに掲げている「小さな声を探し求める」という具体的なアクションが成長のためにはやはり必要だと考えています。まだ出会えていないご利用者の「小さな声」に注目できているかどうかです。
需要はあるのに、求められているのに、そのサービスが十分に受けられない、あるいは弱者とされる立場ゆえに様々な事情から発信できずにいる、その当事者のニーズを見過ごしていないかどうか。そうしたことに気付けるかどうか、行動力があったかどうか。こうした要素を漏らさずにおさえていける目線を養ってきたかどうか。こうしたことを意識していけるかどうかが、今後の成長に大きく影響しそうです。
まずは、取り巻く社会環境の大きな変化も再確認しながら、現在の経営戦略が、ビジョン達成に向けて正しく舵を切れているかどうか、考えてみたいと思います。
第1に、障害者の方が生活しづらくなってきていることへの懸念から考えてみます。昨今、「8050問題」、「7040問題」といった言葉をよく耳にするようになりました。これは親が80代で要介護になったら、その時にもし障害ある子が50代で残されたら、双方高齢者で生活に困難を抱える問題を指す言葉なのですが、さらにその先に待ち構える親亡き後の問題も絡んだ連鎖が社会問題化され始めています。
そうなった場合に、一人暮らしはなかなか難しく、病院も施設も、家でもない第三の居場所が必要となるものの、現状ではそういった施設の選択肢さえ、少ないことが問題にもなっています。仮に入院できたとしても、行政の財政上の問題で、最近では早期退院が促され始めています。まさに生きづらい環境です。
ちなみに高齢化に起因した様々な支出は年間2,000億もの増加傾向にあると聞いていますから、10年換算で約2兆円の支出規模です。その最たるコストが、ご存知の通り医療費で、その医療費減らしの最たるものが病院からの早期退院の政策になるようです。
よく、医療も福祉もこれからは「地域に移行します!」といった言葉を耳にしますが、要は医療(病院)から福祉(在宅)にコストが移り始めた政策が進んでいる訳です。医療制度は国の負担率が高いですが、逆に福祉制度は自治体の負担率が高く、その理由もあって自治体はあまり前向きに、こうした話に対応してくれないことがよくあります。
実際、同じ県内で川ひとつ挟んだ隣町との間で比べても、受給者証の発行状況に大きな違いがあったりしますし、本来はどこでも平等に利用できるはずの障害福祉の制度が、同条件で利用できない事もよくあります。自治体の消極的な姿勢がますます私達の身の回りで散見されてきているわけです。
そういった国と自治体のねじれ現象に巻き込まれた、私たちを取り巻く「今」を見渡し、生きづらさの観点からみても、いまこそ行動を起こすべき時!と感じます。まさに、待ったなしの状況です。
【株式会社 土屋】は、その時を逃さず、在宅支援を主軸に、各種新規事業・新規業態の拡充を創業以来進めてきました。そうして私達は、まだ出会えていない、小さな声たちの「未来」に応えるべく、活動をして参りました。その根底にあるミッション、ビジョン、バリューは全社ミーティングで繰り返し共有され、これに連動した経営戦略は、出帆のときからブレないで、しっかりと変化を見据えて、着実に前進してきている、見通せていると感じています。
あとは迷うことなく、今年も、昨年同様に、取り決めたことを着実に突き進めていくだけですので、経営戦略室は、「小さな声」に向けて発信している様々な施策を後押ししていきます。それは、障害者の方々と共にある未来にまで、事業が継続していけるように、そして現場の皆様からは、頼れる水先案内人となれるように、皆様と協力していきたいと思っています。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
以上
佐々木 直巳(ささき なおみ)
本社・人事労務