『VEGETABLE  WARS』~episode①~ / わたしの

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

2歳になる娘が現在楽しみにしているのが人形劇。

私が仕事から帰ると、すぐに自分の小さな椅子を目の前に運んできて、それに座って拍手をします。

それが人形劇をやってほしいという合図なのです(かなり強引)。

人形劇と言っても私がぬいぐるみやおもちゃを手で動かしながら適当に物語をしゃべっていくという極々簡単なもの。

物語も登場人物に合わせてその場で適当に作ります。

オリジナルストーリーだったり、桃太郎など既存の昔話を再現してみたり、パプリカを歌ったり、そのままミュージカルにしてみたりとその日その日で違います(汗)。

例えば、パンダとラッコのぬいぐるみ(ラッキーという名前)を使ってこんな感じで始めます。

「ねぇねぇ、好きな食べ物なあに?」

パンダのぬいぐるみを動かしながら言います。

娘がキラキラした目を向けて、食い入るようにその様子を眺めています。

ラッコのラッキーが「僕はラーメンが好きだなー」と答えると同時に、娘が「私もメンメン好きー!」と一生懸命パンダに伝えています。

「パンダさんは何が好きなの?」

逆にラッキーがパンダに聞きます。

「僕はパンが好き」

同時に「私もパン好きー!」と娘が言って楽しそうに笑っています。

こんな感じでいつも人形劇は進んでいきます(汗汗)。

(^_^;)

今日もまた帰宅すると娘が椅子をせっせと運び…、スタンバイオッケーなようです。

拍手で劇の開幕を今や遅しと待っていました。

さて、今日の登場人物は…と言いながら私はおもちゃ箱の中から娘がおままごとで使っている木製の野菜たちを取り出しました。

木製のものはプラスチックのものよりもあたたかみと味があっていいのです。野菜たちを人形劇に使うのははじめてです。

どんな物語になるのでしょうか?

お待たせしました。では人形劇のはじまり、はじまり

まずは白菜の登場です。

白菜が野菜のみんなを集めて呼び掛けました。

「おーい、野菜で一番の人気者は誰だい?」

「多分、僕ですね」

と、人参が手を上げました。

「姿がしゅっとしてる。色味がいい。ボディのオレンジと葉っぱの緑のコントラストが最高。一番華があると思います。なんと言ってもやっぱり見た目でしょう」

「確かになー」白菜が頷く。

「ちょっと待ってよ」

と、口を挟んできたのは隣で聞いていた玉ねぎでした。

「僕は生でもいい、煮ても、焼いてもいい!数々の料理は僕がいなくちゃ成り立たない。やっぱり使い勝手がいいのは僕だね」

それを聞いていたじゃがいもが

「多分、人気者は私だと思います」と言いました。

「収穫量日本一!データが全てを語るんです」

それに一同大笑い。

「油で揚げられて片手間に食べられてるだけだよ。存在が軽いね!」

じゃがいもは顔を真っ赤にして何も言わなくなってしまいました。

「すみません、人気者を探していると聞いたんですけど…」

と、そこにやってきたのはキャベツ。

「とにかくみんなキャベツが好きって聞きます。私は野菜のグラビアアイドルやらせてもらってます。やっぱり好感度が大事じゃないですかねー」

「困ったなー」本当は誰が一番人気者なんでしょう。大事なのは、見た目かな、器用さかな、データかな、好感度かなー。白菜は重い頭を抱えました。

「待って待って」

と、白菜は皆を制しました。

「自薦じゃ埒があかないから、自分以外の人を推薦してください」

「だったら玉ねぎさんだと思います」と、人参が言いました。

玉ねぎはちょっと照れ臭そうにしていました。

「玉ねぎさんはカレーのときに必要です。ルーに溶け込んで旨みを下支えしてくれます。でも溶けてなくなってしまいます。僕の方がまだルーに残ってることが多いです。

それを考えるとやっぱり僕が一番かもしれません」

玉ねぎの顔がみるみる不機嫌に。

「キャベツさんを推薦します。人気者はキャベツさんです」

と、トマトが言いました。

「ロールキャベツはとっても美味しいです。だけどトマトのスープがあってこそ引き立ちますよね、そう考えていくと必然的に一番は僕トマトで決まりですね」

「別にトマトスープじゃなくてもコンソメスープでもいいんですけど…」

キャベツも不機嫌に。

その場で喧嘩がはじまりそう。白菜は困ってしまって萎びてきてしまいました。

一番を決めるのは難しい。

その場は大混乱。

野菜たちは「我が我が」で自慢し合い、罵り合い、大騒ぎです。

さて、どうしたものか。

「この際、腕っぷしで決めるってのはどうだろう」

カボチャが言いました。力が強いことが一番さ。

「背の高さで決めたらいいかな」

ごぼうが言いました。モデルのように身長が高いわ。

全然決まりません。

「いい考えがあります」

と、さつまいもが白菜にアイデアを伝えました。

「まずは絶対に人気者じゃない嫌われ野菜を決めませんか」

「僕の話も聞いてよー」

と、ピーマンが来ました。

「私の話も聞いて!」

アスパラも来ました。

たくさんの野菜が押し寄せて来ました。

なんだかよくない方向に話が進んでいきます(汗)。

娘は唖然とした様子で口を開けて見ています。

自分の意思とは離れたところで物語がひとり歩きをはじめています。

仕方がありません。もう少し野菜たちを見守ってみましょうか。

つづく(^-^;?

 

 

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