対立の炎
叫び声やうめき声と向き合ってきた。
障害者運動に参加した。
野宿者支援に奔走した。
移住者と共に歩める道を探した。
社会から排除され、差別され、不当な抑圧を受けた方々の叫び声やうめき声と出会った。
コンパッションが新たなる闘いの出発点となった。
「加害者」と向き合い、私たちの怒りをぶちまけた。
尊厳の回復のために、対立の炎の中に自ら身を投じた。
現在もその闘いの延長戦を闘っているつもりだ。
しかし、いま私は福祉サービスを届けようとする社会起業家であると同時に、2,500名の従業員がいる企業の経営者でもある。
巨大化した組織はもちろん階層化が進んでいる。
現場には私たちにはわからない叫び声やうめき声があることも想像できるし、余韻は届く。
しかし、全体最適思考に基づく経営判断によって、叫び声やうめき声を黙殺せざるを得ない場面がある。
組織を守るために、時間は有限だから、という大義名分が、自分自身の「いま」を正当化する。
しかし、対立の炎に身を投じたかつての私から、時に問題提起がなされる。
本当にそれでいいのか?
裏切りではないのか?
答えはわからない。
ひとつ言えることは、対立の炎が創造プロセスに進化しうるということだ。
イエスの連鎖による組織統合は、効率的ではあるが、対立の炎による創造にとってはチャンスロスでしかない。 組織の中における対立の炎が許される特別区の創造を考えていきたい。
株式会社土屋
代表取締役 高浜敏之
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