2023年の抱負 / 高浜将之(常務取締役・高齢者地域生活推進員会委員長・地域密着型サービスゼネラルマネジャー)

年齢を重ねるにつれて、一年が過ぎるのが早くなっているように感じます。
だからこそ、日々の時間の過ごし方を大切にしなくてはいけないと思うようになってきました。
2023年。
私は、3つの目標を掲げて取り組んでいます。
定期巡回サービス等の高齢介護事業の展開
高齢介護事業での介護職のキャリアアップ環境職位の基礎作り
様々な活動の発信
です。

まず一つ目の「定期巡回サービス等の高齢介護事業の展開」について。
2023年1月。ホームケア土屋は全国47都道府県に事業所を設置しました。
障害を抱える方を地域で支えることを目的としている会社として重要な通過点を超えることができたと言えます。土屋が全国47都道府県での事業所設置に特別な想いを持っていた理由は、全国でサービスを必要としている人たちにサービスを届ける環境を整えることを大切にしてきたからです。

では、必要なサービスを受けたいのに受けることができないのは、障害を抱える方々だけでしょうか?高齢者においてもサービス整備の地域間格差は非常に著しいと思われます。特に小規模多機能や定期巡回サービス等の地域密着型サービスは、特定の地域では充実したサービスを受けることができるにも関わらず、ほとんど事業所がない地域も多々見られます。

特に定期巡回サービスは、一人暮らしの方の見守り・安否確認・食事や薬の提供等、柔軟に対応することによって、在宅限界を伸ばす可能性を多分に秘めていると思われます。

定期巡回サービスが、なかなかサービス提供体制が整わない理由は、①採算が合わない②人材確保が難しい等と言われています。採算が合わない、いわゆる経営の難しさについて、土屋では、スケールメリットを活かし、損益分岐点までの期間を十分に取ることが出来ます。月間1000名の応募があるなど、人材確保は土屋最大の強みとも言えます。

2023年は、土屋にとっての定期巡回元年として、積極的に全国でのサービス提供体制拡充を始めていきます。

二つ目の、「高齢介護事業での介護職のキャリアアップ環境職位の基礎作り」ですが、土屋のメイン事業である重度訪問介護では事業規模拡大に伴い様々なポスト(職位)があり、自分の能力を発揮できる環境・ポストに見合った待遇面などが整えられています。

一方、高齢介護事業はデイホーム等を中心に少しずつ組織も拡大してきていますが、まだまだ体制が整っているとは言えない状況です。
3K(きつい、汚い、給料やすい)等と揶揄される介護の仕事ではありますが、実をいうと初任給・ベース給与は低くありません。特にこの10年ほどで処遇改善加算等の様々な手当が増加したこともあり、他の産業と比べても遜色ない初任給をもらうことが出来ています。

では、介護職のキャリア構造において何が問題なのか?それは、キャリアアップできない・キャリアアップしにくい環境が原因です。

介護事業者の多くは小規模事業者です。利用者の生活を支えるために、利益よりもサービスの質の向上に取り組む、小規模事業者の社会的価値は図り知れません。私自身、非営利法人の小規模事業者で20年近く働いてきました。そこで学んだ専門性やマネジメントスキルは私の宝です。

一方で、私が複数の事業所の統括をしていた期間は10年近くになります。私の部下として一緒に事業を運営してきた管理者達も同じく10年近く管理者を務めていました。言い換えれば、10年間誰もキャリアアップできなかったことになります。

キャリアアップしていないということは、仕事内容も変わらず、待遇面もほとんど変わらないことを意味します。土屋は、このような介護職のキャリア構造を「社会課題」として解決していきたいと考えているため、私自身事業の拡大に邁進しながら、一緒に働く仲間のキャリアアップできる礎を2023年に築いていきたいと考えています。

最後の目標である、「様々な活動の発信」は、上記二つの目標の延長にあります。事業を拡大し、事業拡大に伴うキャリア構造を築くなど、様々な取り組みを行ったとしても、その情報が欲しい人に届かなければ、お互いにとって不幸なことになってしまいます。土屋の取り組んでいることを様々な媒体を通じて、多くの人に届くように継続して取り組んでいきたいと思います。

「障害介護の土屋」が2023年を境に「高齢介護の土屋」として認識されるるように、地域密着型サービス事業並びに高齢者地域生活推進委員会として取り組んで参ります。

 

◆プロフィール
高浜 将之(たかはま まさゆき)

大学卒業後、営業の仕事をしていたが、2001年9月11日の同時多発テロを期に退職。1年間のフリーター生活の後、社会的マイノリティーの方々の支援をしたいと考え、2002年より介護業界へ足を踏み入れる。大型施設で2年間勤めた後、認知症グループホームに転職。以後、認知症ケアの世界にどっぷり浸かっている。グループホームでは一般職員からホーム長、複数の事業所の統括責任者等を経験。また、認知症介護指導者として東京都の認知症研修等の講師や地域での認知症への啓発活動等も積極的に取り組んでいる。現職は有限会社のがわ代表取締役兼医療法人社団つくし会統括責任者。

 

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