異端の福祉 拝読致しました / 國富真美香(ホームケア土屋 大阪)
今まで携わってきたクライアントの方々から、約20年前の施設で過ごされた経験のお話しを伺う機会がありました。
皆さん、口を揃えて 自由がなかった。制限が多く窮屈だった。
自分らしい生活が出来なかったと仰られていました。
その中の1人に、制度が出来る前に、実際に自立生活をするために、ボランティアをビラ配りをして募集して生活を支えてもらってきた方もいて、「『こんな夜更けにバナナかよ』の映画はまさにそうだったから観て!」と勧められて試聴しました。
その当時から高浜代表は福祉の道に進んで行く決意をされ、社会福祉運動されていたとの事で、関心を持って拝読させて頂きました。
中でも印象的だったのは、古くからあった福祉のネガティブなイメージ、障害を持つ方が人として扱われなかった非情さ、社会からの見られ方や扱われ方の実状の部分です。
現在も昔よりは少なくなったとしても、まだ非情で過酷な環境で苦しい日々を送られている方はおられるのでしょう…
「保護・管理の対象」という言葉は現段階でも改善出来ていない環境もあると思うので考えさせられました。
また施設や病院で生活するのが当たり前で、当事者の訴えにはなかなか耳を傾けてもらえない時代が長い間続いていた現実…。
健常者の多くは子どもの頃から学校や外出先等で障害を持たれた方と接する機会をあまり持たずに生活してきています。なのでその実状がわからず、ベールに包まれた遠い別世界の感覚といった溝があるので問題解決が進まず、悪循環が生じていたのですね…。
そうした中、高浜代表は約20年前から、社会からの注目度がとても低い状況だった障害者福祉の問題に目を向けられ、小さな声を聞き、障害を抱えている方が住み慣れた地域で当たり前の生活が出来るようにと信念と情熱に従い、活動をしてこられている。そのお話に感銘を受けました。
障害を持つ方々の望む声を厚生労働省や役所に何度も何度も訴え続けていく労力は、並大抵の精神力では出来ない事です…。体調を壊し生活保護も受けられ、身も心もどん底までになりながらも奮起され、未開拓の領地に挑まれてきた経緯を拝読し、自分と同じ歳なのに気骨な精神力で頑張って来られて、尊敬の気持ちでいっぱいです。
高浜代表とは普段お会いする機会もなく、zoomでお話しを聞く機会のみでしたので、本著を通じて、高浜代表自身も介護をアルバイトから経験し、クライアントとの関わりで上手くいかなかった事や、時には厳しい言葉で拒否されたり、他のスタッフに変えて欲しいと言われたりと、皆と同じ悩みや苦労を経験されてきたお話しを読ませて頂き、経営者だけではなく同じ苦労を通過してきた先輩なんだと親近感が湧きました。
全体的な文章も敢えて難しい表現をされていないので、まるで対面でお話しを聞かせて頂いているように自然に入る事が出来たので一気に読ませて頂きました。
また本著では、昔から長年続くボランティア・低賃金が当たり前だった風習から、福祉でも稼げるビジネスモデルを新しく構築されてきた経緯について語られています。
介護業界にある3Kと言われるネガティブな常識を覆す新しい希望の形であり、今後福祉業界を引っ張っていく会社になっていくと思います。
重度訪問介護は単価が低く儲からないと言われる中、工面に困難を多く要してこられた事と思います。
本著を通じて認知度が広まり、多くの方の目に止まる事で、更なる重度障害者の支援に繋がればと願います。
また本著は障害者支援の過去の歴史、国や都道府県、市町村のサービス利用費の内訳の実状、実際に介護者が現場でどんな仕事を行っているかや、利用者・ご家族が在宅でヘルパーに来てもらう事で思った事等も書かれています。
介護のお仕事をこれからやってみたい方、また、施設や病院等で活躍されている方で、重度障害者の訪問介護とはどういう感じなんだろう?と興味がある方、そして障害を抱えておられる方とそのご家族で、施設に入所ではなく自宅で24時間の対応で在宅生活が出来、家族への負担を気負わず共に生活出来る制度があるという事を多くの方に知って頂く為にもお勧めしたい本だと思います。
また地方の自治体や相談員の方にも認知、理解が広まり、本著が多くの方の目に止まれるよう勧めていきたいです。
ホームケア土屋の全国展開が出来、オンラインミーティングのお話しで現在の経営状況を聞かせて頂きましたが、発展途上の過程なので今は不安定ではありますが、高浜代表の利益だけではないクライアントや従業員一人一人に対する感謝のマインドや理念の姿勢のお話しを伺い伝わりました。
今、所属している大阪では、直行直帰でお会いする機会やコミュニケーションが少ない環境の中ではありますが、コーディネーター、マネージャー共に、優しく親身に接して頂いています。過去の職場にはない、上司に恵まれた環境で働く事が出来て、不安なく頑張る事が出来、大変感謝しております。
なので今後、必ず右肩上がりの会社になっていけると大きな希望を感じています。
ホームケア土屋にご縁があり、クライアントの生活を支え、関係性を構築していき、支援をしていく事にやりがいを感じています。これからも1人でも多くの方にホームケア土屋を知ってもらって、その方の生活がより望む形になれるように、貴方に出逢えて良かったと思ってもらえるようなヘルパーで居続けられるよう頑張ります。