【異端の福祉 書評】異端の福祉を読んで / 岡本侑生絵(内部監査室)

異端の福祉を読んで / 岡本侑生絵(内部監査室)

今回の異端の福祉を読んで、今までの自分の人生がどうだったのかと思えたことが大きな私自身の収穫。学んできたことの小ささ、それぞれの価値観の違い、実際に自分が経験してきたことがどれだけ行動力、言動力になってきたか、自分にないものばかりだと読んで実感した。

第2章での社会を変えようともがき、疲弊していくとある章では、代表自身が障害者運動によって自らの弱さを知り、一旦は社会からドロップアウトしたところでの安積遊歩さんのコミュニティへの参加。そこからレジリエンスに気づき、無自覚の鎧のようなものが取れたとあった(一部抜粋)。

この鎧のようなものとは、強くならなければならない、そうでなければいけないという強い意志からの意味も込められているではないか。自分も鎧という表現は少しおこがましいとは思うが、30代で離婚し、シングルマザーとして数々のアルバイトの経験をし、その頃の私は鎧をつけていた自分がいたようだった。

楽しい仕事では子供を育てていくだけの力を付ける事はできなかった。あの時の私はやはりどん底で、色々な意味で人生に敗北感や、未来を創造できることはなにもなかった、誰も信用できる人もいなかった。人に頼れない自分であった。

なので、代表の生きてきた価値観とは違った。今は人にも頼れるようになった。自分が経験してきたことを反映させてくれた本。しかし代表のような学ぶことの喜びを得る事が、あの時の私はできなかった。やはり持っているものが違うのだ。

私はレジリエンスという言葉にも敏感に反応した。レジリエンス…心理レジリエンスでは122個の定義があるそうで、今後学んでいく中でそれぞれの意味を探っていきたい。私が今回調べた所では、心理学的意味で一般的に復元力、回復力、弾力または自発的治癒力という意味で解釈すると理解を深めやすいということがわかった。

本の中でのセルフヘルプグループでの学びがレジリエンスを高めてくれたのでしょうか。今後もこのレジリエンスについては様々場面で意識しながら、学びを深めて自分を高めていけるかもしれない。

その後、代表が社会復帰されてからの様々な経験、障害がある方々のサポートをしていく過程から福祉の会社を設立し、今の総合事業まで進んでこられたのも代表の視野の広さ、心の広さでないか。

私も社員の一員として働かせて頂くことに誇りをもつことができた。半面、自分には何もできていないことが多いということもわかった。

私自身も会社で色々な経験をさせて頂き、会社の裏側という部分での動きも多少理解している。少しでも会社に貢献することができていたのではないか、自分が仕事をしてきたことに対して、肯定感が高まったことも事実である。

逆に本を読んだ中で自分を振り返ることができたし、福祉に対して否定する気持ちも正直に出せていけるような気がする。

福祉の仕事に就いてからは少しずつでもまわりの事がみえてきた。ボランティア活動もこれからやっていきたいし、福祉の仕事だけではなく生涯学習、生涯現役でありたい。

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