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コロナ禍。オンラインとオフラインをどう受け止めるか / 佐々木直巳(経営戦略室 シニアマネージャー)

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

世間では、かなりオンラインの業務が増えたようです。当社においても、支援現場に関連した業務以外、中でも採用、研修、会議のほとんどがオンラインで行われるようになりました。

さて、コロナ収束後はこのオンライン(非対面)中心の世界からオフライン(これを対面と例えてよいかどうかは別として)に完全に戻るのでしょうか。

そして介護の未来にはどんなことが待っているのでしょうか?

しかし、やっと終息と思った矢先に今度はオミクロン株出現で、先日外国からの新規入国が原則禁止となりました。クリスマスも感じられそうにないまま年末を迎えそうで、ただただ、「閉塞感」だけが強まっていく様相です。

こうなってくると、クライアント(ご利用者)向けに行ってきた感染予防対策に日々最大限の注意を払ってきたアテンダント(従業員)の皆様もさぞや、この先行きの不透明さに、これまで以上の大きなストレスを感じてきているのではないでしょうか。

やっと出口に明かりが見えたと思ったら、再び真っ暗なトンネルに入り込んだような閉塞感。そう感じているのは、私だけではないはずです。

では、この新型株の先、今度こそ期待したいコロナ終息後にはどんな介護の未来がくるのでしょうか?

人材、そして業務のIT化、2つの目線で考えてみます。

慢性的な介護人材の不足は以前から大きな社会問題でしたが、コロナが発生した途端、社会全体がオフライン的な【対面】=【密】はNGであるとして、回避する対応が重視され、これがきっかけで人手不足に拍車がかかりました。

施設においては在宅に目が向いたものの、その先の訪問介護ではワクチンハラスメント的な支援拒否が生まれ、直接人と接触せざるを得ない介護業界への転職さえも…。

いざ内定受諾かと思いきや家族から理解が得られず入社辞退となるケースも散見されました。

現場においてはアテンダントの罹患から代替スタッフ派遣で事業所内では人材不足・ひっ迫に拍車がかかり、一時的なご家族対応でその場はしのげても、その後の充当人材がいない…。

もしここで退職者が出ようものなら最悪のシナリオだと頭を抱えそうな、綱渡りの運営さえ目の当たりにしてきました。落胆続きで溜息が聞こえそうな状況でした。

でも、この人手不足、一見難航しそうでしたが意外にも事態は最悪な状況には遭遇せず、コロナという初めての経験下においては及第点となる人員確保がスレスレ、できていたように思えます。

いうまでもなく現場の皆様の多大なるご協力、緊急対応への献身あってこそですが、これには少なからず飲食業やサービス業関連の解雇、雇い止め現象に比べて、コロナや景気に左右されにくい、対面必須の需要がある介護に関心が集まったことも、求人に動きが出ていた要因と考えられます。

また幸いにも当社においては給与体系の見直しが奏功し、職場定着率も高く維持できていた(離職率1割程度)とするサーベイ結果も発表されていました。

業界全体でも介護職員の人材定着率はコロナ禍もあって、以前よりは上昇傾向にあると思われますが、ここは経営陣の事業努力の成果とも考えられます。

業界自体は依然として人材(人財育成)に課題山積ですが、少なくとも当社の採用については下期に更なる予算拡大もあり、これはちょっと今後も期待したいところでもあります。

一方、介護業界のIT化の浸透は他業界に比べ大きく出遅れていると言われています。

そもそも人手不足に関しては、介護業界だけの問題ではなく、どの業界も人手不足なのは明白ですが、そういった中、他業界はどうしたかといえばIT、AI、ロボット、自動運転導入を進め、人員不足の代替として精度、効率を上げてきました。

在宅医療や、我々が得意とする【見守り】さえも遠隔可能な未来がすぐそこにきているようです。

どうしたら人手不足を解決できるかにとどまらず、その先の業務効率化、質の向上に力点を置き、目覚ましくIT化による進化が始まっています。

足元の介護業界に目を向けると、そこはやはり【人】が重要として、(良いのか悪いのかは別として)逆に【人】以外考えられない状況に陥っているかもしれません。

業務記録の電子化は進んでいますが、いまだにパソコン、スマホ、アプリ苦手論、パソコンのリテラシー問題など…。

「このご時世にFAX営業???」みたいな話も聞きますし、現場と担当介護職のマッチングに課題、問題点をあげて、やはり【人】を重要視する傾向もここへきて強まった感があります。

ロボットによる業務削減(夜間見守りがロボットや遠隔医療体制に取って替わられたら・・・)への抵抗感だけで、ロボット活用を見送っているところもあると聞きます。

しかし一方ではICT化による【見守り】のロボット化で業務時間を35%も効率化したという北九州市の成功事例も出ているようです。

では、今一度、新型コロナウイルス終息後は、どうなるか?

現在、医療現場では遠隔系ツールの浸透度はかなりの勢いです。面会ができない中で、あらたなツールとしてオンライン面会に踏み切った施設も多いと聞きます。

実際に当社では今まで、移動に時間がかかるため、現場を抜けられず受講できなかった研修は、オンライン研修の普及で格段に受講しやすくなりました。

研修が受講できる環境は、成長の喜びやサービスの質向上につながりますし、業務効率化にもなります。

アンケート調査でも満足度につながっている結果(回答)が届いています。このような状況変化を鑑みると、新型コロナウイルスは、介護業界にとって悪影響だけをもたらしているとは決して言えないのではないでしょうか。

ピンチをチャンスに捉えて前向きに行動すれば、「人手不足改善」や「ITやロボットの浸透」に大きなプラスとなりうる可能性を新型コロナウイルスがもたらしたのかもしれません。

物は考えようです。オンラインもオフラインも毛嫌いすることなく、こうした変化に気付き、どちらのメリットにも対応することがサスティナブルなこれからの経営に求められる素養なのかもしれません。

つまり、私達が新型コロナウイルスによる社会変化を柔軟に捉えて、バリューに基づいた行動をすることが、いまの閉塞感を打ち破る唯一の方法なのかもしれません。

介護の未来は明るいはずです。

 

佐々木 直巳(ささき なおみ)
本社・人事労務

 

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