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地域で生きる/21年目の地域生活奮闘記56~2021年を振り返って思う事~ / 渡邉由美子

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

もうすぐ2021年が暮れようとしています。年を重ねることが本当に早く感じます。去年も年の締めくくりのブログは年を振り返るものであったと思います。

このブログが世に出る頃にはクリスマスも終わり、歳末ムード真っ只中の頃です。出来る限り前向きに今年を振り返ってみたいと思います。

まずは様々な物議をかもしながら東京は一日五千人を超える感染者が出ている医療の逼迫した状態の中でオリンピック・パラリンピックが一年越しでついに開催されたことについて私なりの振り返りをしておきたいと思います。

一つ目は、一年越しの開催となり、しかもほぼ無観客で行われ、終了したら観光も何もせずに即座に帰れ!と言わんばかりの厳戒態勢の中で多額の税金が湯水の如く投じられ、意地でも開催されたことに違和感などという生半可ではない感情を掻き立てられました。

オリンピック・パラリンピックに向けて努力してきた選手たちに晴れの発表の場は与えたい気持ちはありますが、観客を入れることが出来ないのであれば、もっと別の形で記録会の形にしてメダルだけを授与できる方法を考えた方が良かったと思います。

このオリンピック関係で出来た多額の赤字も国と東京都は当分背負っていく事になります。

これを機に四年に一回のスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックというお祭り騒ぎの在り方を、本当に技術だけを競い称えるものへと変容してもらいたいと切に思わずにはいられません。

車いすの障がい当事者の立場から言わせて頂ければ、バリアフリー化の一層の促進がオリンピック開催によって進んだことはただ一つ良かったこととして挙げられる事実だと思います。

パラリンピック後に様々な障がいを持つ外国人選手に日本を観光して頂くことを当て込んで作られたと思われる政府鳴り物入りのユニバーサルデザインタクシーは、予約をしてなくても道を走っているユニバーサルデザインタクシーに障がい者も気軽に乗れると推奨されていましたが、今、現在どれほどの人がそのタクシーの存在を認識し、利用しているのでしょうか。

きちんと調べた訳ではありませんが、乗れる車いすの大きさも形状も限られる中、疑問を持たずにはいられないのは私だけではないような気がします。

様々な思いは去来しますが、同じ国で開催されるのは今回の例でいうと57年ぶりであった事を考えると、もう私が生きている間には開催されることはないのだと思うと今年の振り返りには入れておきたい出来事だと思いました。

パラリンピックによってもたらされる障がい者像は健常者より優れていたり、常にがんばっていなければいけない障がい者像なので、そのような固定観念が普及する事には嫌悪感を覚えました。

二つ目は、二年以上も続く新型コロナウィルス感染症との目に見えない闘いが今年も完全には収束できなかったことがとても残念に思えます。

最初の頃よりは様々なデータも出てきたり、対策の方法も少しは身に着いて、コロナ禍であっても完全に経済や社会を止めない方法を模索しつつはありますが、変異するウィルスの話題は尽きず、ワクチンを打っていてもブレイクスルー感染するとか三回目のワクチン接種が行われるなどと言われています。

重度障がいは病気ではありませんが、ワクチンは薬であることは事実なので、もし万が一にでもワクチンの副作用でこれ以上障がいが重くなってしまうことを考えると、三回目は打ちたくないと考えてしまいます。

しかし、私のように常に介護者を入れ替わり立ち代わり入れていると、自分が感染源になってしまったら他の同じ介護者を使っている利用者様にも迷惑が多大にかかってしまいます。

ですから打たないという選択肢を自分のことだけ考えて容易に決めるわけにもいきません。

一回目二回目の時もそれなりに悩んで決めました。これからも当分このどちらにしてもリスクが高いという悩みは尽きません。

そろそろ感染して病気になってしまった時に治療する薬も出てくるようなので、そういった情報も考慮しながら自己決定でこの長いコロナとの闘いを乗り切っていこうと思います。

一日も早くコロナのことを気にせずにコロナ以前と同様の生活ができる世の中になってもらいたいと思います。

三つ目は今年もよく社会参加活動をしたということです。

ほとんど毎日のように様々な場所で重度訪問介護の介護者を育てるための研修活動をしたり、社会保障制度が少しでも良くなるように国や東京都、私が住んでいる自治体に窮状を訴える活動をしました。

それはそれなりに私が地域で暮らす意味そのものであり、生きがいにもつながり、日々を元気に楽しく過ごせる原動力でもありました。

一つだけ解決できなかった身近なことは、定着する介護者の数を増やすということは相変わらず達成できず、悪化の一途をたどっています。

来年の最重要課題はこの介護人材確保を自分のためにも人のためにも行うということに尽きると思います。

来年こそは安定して不安のない地域生活の基盤を人材確保という観点から達成したいと思います。

年末年始は走り続けてきた一年に感謝して少しのんびり家で過ごしたいと思います。

今年一年ブログを読んでいただきありがとうございました。

 

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

 

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