地域で生きる/21年目の地域生活奮闘記65~車いす生活の中で東京に雪が降ったときに思う事~ / 渡邉由美子

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

少し前の話となりますが、1月6日に10センチを超える雪が東京都心にも積もりました。そして2月10日にも2回目の雪が降り、本当に今年は寒い冬なのだなあ、ということを強く感じています。

元来の私の心配性な性格ということももちろんありますが、雪の予報と聞くだけで私はその日と積もった雪が溶けてなくなるまでの数日間をどう過ごそうか悩みます。雪ばかりは降ってみないと現実の大変さが分かりません。よって予測が立たず、キャンセルできない予定が当日や翌日に入っているとどう動くかとても悩みます。

ただでさえ路面が凍結している時は介護者の足元も危うく、介護者は自分で歩くだけでも歩幅を小さくして慎重に歩行しているような状態なのに、160㎏以上もある電動車椅子で、かつ私の普段から決して上手いとは言えない蛇行運転をサポートして欲しいというのは無理難題に近い課題となってしまいます。

その日に無理をして介護者も私も転倒や怪我をして大事に至ってしまっては言うまでもなくあり得ない事になってしまうので、気象条件という厳しい変え難い現実の中で只々やきもきして外を見たりテレビを見たりする私なのでした。

電動車椅子にスタッドレスタイヤはないのだろうか?と考えて車椅子業者さんに尋ねてみましたが、そもそも寒いと車椅子の人たちは動きが鈍くなり外出そのものをしない人が多いため、そんな中でそんなものを開発しても買ってくれるのは私ぐらいだと言って笑って流されてしまいました。

しかし私はそんなことはないと思います。車椅子に乗っていても就労している人は絶対にいますし、その人たちが全員リモートワークで家から出ないで仕事ができるとは限らないと思うのです。

多分すごく早く家を出るとか家族や介護者総出で雪かきして駅までの道を作るなど、様々な工夫と努力の賜物でなんとか現状を乗り切っているのだと思います。車椅子ユーザーとりわけ電動車椅子に乗っていると雪は本当に厄介なものとしか捉えられていませんでした。

しかし、今の若い障がいを持った仲間達にとってはそんな捉え方ばかりではないことを知りました。

スケートリンクを借り切って防寒対策を完全防備した上で車椅子ごとスケートリンクに下りてボランティアの人々や家族、兄弟と共にスケート気分を味わう障がい者団体のイベントが企画されていたり、障がい児がスキーの体験をさせてもらえる団体があってお金は少々高額に必要なようですがそり遊びを楽しんだり、少し立てるとか歩けるといった身体機能が元々ある人は後ろから障がいのある人を羽交い絞めに抱え込むようにしてリフトで上まで上がり、なだらかな斜面をスキーのボーゲンで滑り降りて健常者の初心者と遜色なくスキーを楽しむサポートが得られる人たちもいるようになったことを情報として知っています。

Youtubeなどの動画を見ていると、ワクワクするような躍動感を感じるとともに、私もあと20年ぐらい若かったら挑戦してみたかったと思いました。今の若い重度障がい者は人生を楽しむ、遊ぶということのバリエーションが多くてとても羨ましく思います。

ウィンターレジャーなんて私の若い時代にはできないこと、諦めることの最たるものでしたので、時代は変化するものだとつくづく思います。夏は夏で支援者やインストラクターに抱えられながらスキューバーダイビングを楽しむ重度障がい者もいることを知っています。

日常生活のバリアフリーは交通アクセスの部分、それも都市部に限ったこと、という状態から進んでいませんので、レジャーに関するバリアフリーの進みの方が速いのかもしれません。実際に体験してみたわけではないのでレジャーのバリアフリーの成熟度、満足度がどの位のものなのか何とも言えないところではありますが、様々考えられてきていることは確かな事実と思います。

それからもっと日常的な雪にまつわる問題を解決することも徐々に考えられていることが解る情報がインターネットにいくつか載っていて興味関心を引きました。

写真で示すことができないので表現が大変難しいですが、雪が沢山降る地方の寒冷地では手動車椅子をそれごとそりのようなものに乗せて引っ張ったり動かしたりすることによって、積雪の深い季節をそんなにアクティブではなくても最低限の外出の機会が確保できるように動いているようです。

その他にもタイヤの下に装着することで雪道を安全に動かすことができるような福祉機器とかが開発されていたり、雪に限らず悪路を介護者の労力を軽減しながら走ることが出来るように工夫されたリアカー型の人力車タイプの装置も開発されていて、その装置は被災した場合の避難の際に使うことも想定しているものになっていたりします。

大変か大変でないかといえば雪や台風は生活を脅かす大変さをはらんではいますが、それを何とか克服して日常生活のレベルを下げない努力は淡々とされているようです。そろそろ本格的な春を迎える季節になります。そのため今年はもう雪は降らないだろうと心配事が減り、喜んでいる今日この頃です。

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

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