土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)
昨年末、東京都国立市に第二本社が設立された。
とても不思議な街で、都心部のような派手さは無いものの、密度が濃く、学園都市でもあり、福祉の実績や経験値も高い。メインストリートの突き抜ける青緑と、ひとびとが独特な距離感で形成されているコミュニティが魅力の国立市である。
そして、かくなる私も代表である高浜に出会ったのは国立市であった。
諸々のドラマは文字数の制限もあるので残念ながら割愛するとして、営業職として働いていた私が、介護福祉の世界で生きることになったきっかけのひとりが高浜であり、その出発点である国立市で第二本社は活動をはじめることになった。
介護福祉領域に携わって9年、思えばすべてはここからはじまったのである。
その頃はまだソーシャルビジネスという言葉もそこまで浸透していなかったように思う。社会の片隅で資本主義経済に翻弄され続けていた私は、特段のポリシーや確信もないまま、いつかは介護福祉の世界に身を委ねてみたいとぼんやり考えるようになっていた。
ただそれも無知が故、料簡は狭く、思慮は浅く、身の回りの近しい問題解決ができればいい、あくまで身近な誰かの助けになりたい、その橋渡しのような役割ができたらいいという域を超えるものではなかった。
そんな時、はじめてソーシャルを意識する出来事が続いた。もしかしたらこんな私でも、広く深くできることがあるのではないかと思うようになった。
あの時に出会った方々は今どうしているのだろうとふと思い出すことがある。何もできなかった自分がその経験を糧に、この世界に身を置いたことでほんの僅かでも小さな偶然を変えることができているのだろうか。
前置きがかなり長くなってしまったが、そんな経歴と背景も含めて、改めて年始に思うこととすれば「謙虚であるべし」である。
お金を生むか生まないかではなく、社会活動に参加しているものはすべからく誰かの支えになっているはずで、ということは当然支えられている側であるともいえる。私が子供と安穏たる休日を過ごせるのも、その恩恵があったからこそである。
誰かの支えがあって日常が成立しているというのは、意識をして常に戒めていかないと、自然と意識外に追いやられてしまい、そこに驕りが生じる。
「日々淡々と感謝を忘れず」これに尽きる。
そんな原点を常に思い出させてくれるこの場所に、そして志を持った当時の私に恥じぬよう、今年も歩を進めていきたい。
◆プロフィール
笹嶋 裕一(ささじま ゆういち)
1978年、東京都生まれ。
バリスタに憧れエスプレッソカフェにて勤務。その後マンション管理の営業職を経験し福祉分野へ。デイサービス、訪問介護、訪問看護のマネージャーを経験し現在に至る。