【異端の福祉 書評】異端の福祉を読み終えて / 宮崎 真(ホームケア土屋 福山)

異端の福祉を読み終えて / 宮崎 真(ホームケア土屋 福山)

どんな障害や難病であっても「自宅で暮らす」を当たり前の選択にするために。

全体を通して高浜さんの経験が面白かったです。
「彼ら(地域での自立した生活を求めて運動しているパイオニアたち)の訴えは、自分がどこに住み、どう生きるかは自分で決めるというもので、私は彼らの運動に深く共鳴し活動に参加するようになっていきました。」

この部分は従業員の給与、人柄やバックグラウンド、介護の本質、社会から置き去りにされた人たちといった本書で書かれていることや、会社の方向性にもよく現れている1文です。言うなれば共鳴力ですか。

「自分がここにいることだけが一瞬ごとの確信を生む」
本書ではありませんが、死ってなんだろう、障害ってなんだろう、難病ってなんだろう、健康ってなんだろう。

知らないから怖いのであって、知ったら怖がりすぎずに選択できるようになるのかもしれない。知ったところで、得なんてなくても少しおもしろいかもしれない。唯々考えることで個人個人が納得して選択して、人生を歩めるかもしれないと思い、この仕事を通じて、今関わっている人に問いかけて共鳴していきたい。

最後に「神様、私にお与えください。自分に変えられないものを受け入れる落ち着きと、変えられるものを変えていく勇気を。そして、二つのものを見分ける賢さを。」

無力だと理解し、望み、考えて考えて棚卸を行い、受け入れる。宗教的というより哲学的な気がします。

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