地域で生きる/21年目の地域生活奮闘記㉑~コロナワクチンについて~ / 渡邉由美子

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

現在、経済の低迷も下げ止まるところを知らず、今後私の様に福祉を主たる生活の基盤としてやっと生きている人たちの暮らしにも、経済低迷の影がどんな形で及んでくるのか、考えただけで不安になります。

私に出来ることは生活をきちんと切り詰めていくことでの防衛策しか思いつきません。でも、生活はあまり切り詰めすぎると健康を害したり、免疫力を低下させることとなり、本末転倒の結果となるのは目に見えているので、その辺の調整をうまくかけながら安定した生活を継続していきたいと考えています。

現在、新型コロナウイルス感染症の中心的対策として、ワクチン接種が日本でも始まりつつあり話題となっていますが、医療従事者から優先接種が始まっていることは、相対的に見れば一歩も二歩もこの長引くコロナ禍を収束に向かわせることに繋がっていくと思います。

そんな中で、ワクチンに期待する気持ちと、ワクチンってそんなに早く承認されて大丈夫なのだろうかと思う複雑な気持ちが入り混じって、接種の順番が来たらどうするのかをそろそろ具体的に考えておかなければならないと本気で思っています。

しかし、判断する根拠となるものがあまりにも少ない状況で、アレルギー反応が出た人の事例や、最悪アナフィラキシーショックの事例も報告されていることも気がかりです。副反応が出た人たちの情報もないので、持病があったかなかったかなど分からない事もあり、判断のしようも無く本当に困っています。

私は体の障害以外は今のところ基礎疾患も無く、丈夫な方ではあるので、もう少し一年ほどの経過を見て判断すべきかと思う一方、毎日沢山の人たちの入れ替わり立ち替わりで、介護を受けながら生活しているので、出来得るならば率先して予防対策に努めなければならないとも考えます。

それから、私の周りにいる仲間たちは、家から外出することが極めて困難な人たちも少なくありません。いつも在宅医療の訪問を受けて生活をしていますが、このワクチンは超低温で管理しなければならないものとなっており、病院に接種に行けない人は、現状打てないものとなっているのです。

今後、寝たきりで感染にも弱く、本当は最優先で打たなければならない人たちが取り残されてしまう課題はとても大きいと思います。

もう一つの課題は、ワクチンの後遺症で障がいをもった人の、コロナワクチンではない事例として、脊髄性小児麻痺もあります。この障がいは、不活化ワクチンの接種を原因とする一生治らない身体障がいの一つであり、その仲間は数人知っていますが、当時自分たちは子どもだったのでワクチンを打つ・打たないを自己判断できる状態ではありませんでした。

でも、「あの時にワクチン接種さえしていなければ、障がい者になることはなかったのに。悔いてもしょうがないけれどね(笑)」と明るくおっしゃっていたことが印象的で、その為、今回のワクチンが拙速に供給されていることが懸念材料の一つです。

インフルエンザの予防接種の後遺症も、一定程度永続的に検出されている事実ですし、子宮頸がんのワクチン接種によって、身体に痛みが出て車椅子生活となってしまい、裁判を起こし戦っている人たちもいます。

だからと言って、一年以上収まることを知らないコロナウイルスを封じ込める画期的な他の対策があるわけでもないのです。究極的にどのリスクを取って生きていくのか?本当に悩ましいところです。

脳炎後遺症の人たちも重度の知的障がい、身体障がいを重複する事例もあり、ご本人と支援者、ご家族共に苦労されておられます。

何を根拠にどう取捨選択し、コロナに限らず自分の健康を維持していくのか、ということは難しすぎて答えが出ません。

このような状態となっている世界各国と日本の現状を踏まえてなお、オリンピック・パラリンピックの開催を中止にしない日本政府の政治の在り様は私にはとても理解しがたいものです。

いくら海外から入って来る観客を無観客にしようが、日本人の観客もいれずに開催しようが、選手を支えるたくさんの人々が開催によって動かざるを得なくなるので、意味がないことだという事は誰にでも解かる事実だと思います。

中止に出来ない本当の理由は、何なのか?利権絡みなのか?国民ではなく、政治家トップによほどのメリットが隠されているとしか私には思えません。

ワクチンは、万能の魔法薬ではないことは明らかです。抗体を持つ人が増えれば急拡大や蔓延が防げる確率が高くなるという可能性に賭けた接種なのです。

私自身、気を抜かず基本の予防対策を徹底しながら、それでもやらなければならない仕事や日常生活はしっかりやって、少しでも明るい方向に世の中を動かしていきたいです。

そんな考え方の上に立って、予防の一助となるワクチン接種も検討しながら、明るい新年度を迎え、世の中を少しでも正常に動かしていく努力をしたいと思います。

皆さんも、長引くコロナ禍ですが、心身ともにリフレッシュしながら生きていきましょう。

 

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

 

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