変わるべき未来: 重度訪問介護の新たな展望

変わるべき未来  重度訪問介護の新たな展望

重度訪問介護訪問介護は、重度の障害や疾病(ALS:筋萎縮性側索硬化症など)を持つ人々に対して、自宅で日常生活を送る上で必要な介護サービスを提供するものです。日常生活において必要な支援を行うことはもちろんのこと、たん(喀痰)の吸引や必要な栄養を注入する「経管栄養」など、生命維持に欠かせない重要かつ重大な行為を担っているのが重度訪問介護です。食事の介護や入浴のサポートだけではなく、人工呼吸器を装着したクライアントに対しては、24時間365日向き合ってケアをしていく必要があります。

そんな重度訪問介護の未来を大きく左右するような重要な裁判が行われており、その結果がNHKの記事としてリリースされていました。

NHKの記事を紹介しながら、今後の重度訪問介護のあり方について考えていきたいと思います。

重度訪問介護 22時間余の利用認めるよう命じる判決 千葉地裁(NHK NEWS)

“重い障害がある人に自治体が提供する「重度訪問介護」をめぐり、難病で寝たきりの千葉県松戸市の男性が、1日当たり24時間の介護サービスを求めた裁判で、千葉地方裁判所は「基本的に24時間に相当する介護支給が認められるべきだ」として別の医療サービスなどを受けている時間を除く、22時間余りの利用を認めるよう市に命じました。” 

引用:NHK NEWS

 

2023年10月31日のNHK NEWSの記事によると、千葉県松戸市に住む62歳の男性が、24時間の介護サービスを求めて裁判を起こしたとのことです。この男性はALSという難病により寝たきりとなり、重度訪問介護による介護サービスが必要な状態となっています。それにもかかわらず、昨年の3月に市は「1日当たり18時間余りの利用」としてサービスを決定しており、男性は「24時間の介護サービスが受けられるよう」に裁判を起こしていました。

 

‘’31日の判決で、千葉地方裁判所の岡山忠広裁判長は「男性の病状は深刻であり、介護がなければ生命を維持するのが困難な状態である。介護を担う妻は子どもの育児や家事、仕事を担い負担が集中していて疲れでたんの吸引などができないおそれがある」と指摘しました。”

引用:NHK NEWS

 

NHK NEWSには上記のように記載されており、千葉地方裁判所は、男性の病状が深刻であり、介護がなければ生命を維持することが困難であると認め、基本的に24時間に相当する介護支給が認められるべきであると判断しています。

 

重度訪問介護のサービスを受けるクライアントは、基本的に24時間365日のサポートを必要としています。日常生活をスムーズに行うための介護だけではなく、「生命を維持するためのケア」が必要なのです。

しかし、クライアントが家族と同居している場合、「1日3時間程度は家族が介護すべきだ」といったような考え方をされるケースがあり、全国の多くの自治体で「重度訪問介護サービスの時間を差し引く」ような措置が行われています。

 

重度訪問介護を受けるクライアントにとって、人工呼吸器の管理や栄養、水分の注入は生命維持に欠かせません。そんな重要なケアをプロに任せることができない「空白の時間」が存在するということが、クライアントや家族にとってどれほど不安なことでしょうか。その不安を払拭するためには、やはり24時間365日のサポートが必須であると考えられます。人工呼吸器の管理などには専門的な知識や技術が必要になるため、スキルを持たない家族が適切なケアを実行することが難しい場合も少なくありません。

介護支給の時間を決める際に、家族のサポートが受けられることを前提ととらえるのではなく、クライアントが本当に必要としているケアを提供していけるようにならねばなりません。

今回行われた裁判の判決結果を受けて、今後の重度訪問介護に大きな変革がもたらされることが期待されます。

 

参考:NHK NEWS

重度訪問介護のあり方を変えていくためには

今回の裁判の判決は、重度訪問介護サービスの提供方法に大きな影響を与える可能性があります。従来の限られた時間内でのサービス提供から、クライアントの状態や家族の状況を十分に考慮した24時間365日体制の介護サービスの提供へとシフトしていくのではないでしょうか。

クライアントや家族にとってよりよいサービスが提供できるように、より安心した暮らしを送ることができるように、毎日を健やかに過ごしていただけるように、国や自治体はもちろん、我々介護事業所や介護福祉に関わる全ての人間が「介護サービスのあり方」を深く考える必要があります。

しかし、サービスを提供する側の介護事業所も、「24時間365日の安定した介護を提供できるだけの人的リソースがない」といったような、非常に深刻な問題を抱えています。

日本の介護サービスをより良いものに進化させていくためには、より柔軟で総合的な介護サービスを提供できるような盤石の体制を整えておくことが重要です。

法制度や自治体の動き、ケアを必要とする方々の声と共に、我々介護事業者は介護福祉の世界を変えていく、変化し続ける必要があります。

株式会社土屋グループは、今一度、重度訪問介護のあり方を見直し、よりよい未来に向かって進化を続けていきたいと思います。

株式会社土屋の提供する介護サービス

株式会社土屋では、クライアント一人ひとりのニーズに合わせた質の高い介護サービスを提供しています。介護福祉サービスを通して、さまざまな社会的ニーズに応えるための事業を展開しています。

「探し求める 小さな声を」という株式会社土屋のミッションのもと、一人ひとりに合わせたサービスを提供しています。

重度訪問介護だけではなく、2025年問題、介護難民、医療的ケア児など、介護福祉を取り巻く社会的課題には様々なものがあります。

これら課題に対して向き合い、微力ながら貢献できるよう、株式会社土屋は進化を続けてまいります。

重度訪問介護とは

重度訪問介護とは、重度の肢体不自由または知的・精神障害によって、常に介護や見守りが必要とされる人が受けられる障害福祉サービスで、介護保険法が定める一般的な訪問介護とはそもそも法制度が異なります。

重度訪問介護は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーなどの難病、脳性麻痺、脊髄損傷、重度心身障害、強度行動障害などの重度の障害を持った方が利用されています。喀痰吸引と呼ばれる痰の吸引や経管栄養(胃ろう・腸ろう等)をされている方への栄養注入を含めた、医療的ケアと呼ばれるケアが必要となることも少なくありません。

そのため、より長時間かつ専門的なケアが必要になり、重度訪問介護従業者養成研修といったような研修を修了した一部の介護職のみがケアにあたることができます。

※喀痰吸引や経管栄養などより専門的な研修が必要なものもあります

 

参考:ホームケア土屋

TOP