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地域で生きる/21年目の地域生活奮闘記60~日曜討論という番組を見て思うこと~ / 渡邉由美子

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

先日、○○○政党の副代表である重度障がい者の人が話をされるという情報を得たために、その人がどんな話をどういう伝達方法でするのかということに関心を持ち、番組を視聴しました。

その方が発言するにあたって私はまず、どのようにして発言までのプロセスを実現するのかとても考えてしまいました。

その番組は朝9時からの生番組であると思っていたので、重度の障がいがある人がどうしたらその時間に間に合うように行動できるのかと自分に照らし合わせて考えてしまいました。

テレビ番組というのは、オンエアは9時であっても少なくとも3時間前には局入りしなくてはならないと聞いたことがあった為に、そんなことどう逆立ちしても無理だと思ったのです。

岸田首相と次の第一政党以外の人は事前に録画収録されたものを流すという方法を取っていました。そうか、その方法であれば可能だと改めて思いました。

重度障がいのある議員の意思をどのように表出させるのかという点にも注目をしていました。

障がい者団体の世界では、意見表出に時間のかかる人、かからない人の時間配分は当然の如く違います。

内容として平等の意見表出ができるようにあらかじめ考えて全体の時間配分をするのが常識なのです。

しかし、日曜討論の政治のことを話す場では障がいに対する合理的配慮は難しいので、政党が持っている、もしくは議員が伝えたい内容をどうまとめ、どんな方法で出してくるのかとても興味深かったです。

テレビ画面上ではパソコンが事前に用意した原稿を質問ごとに読み上げていました。

パソコンが視線の動きで意思を表出し、それを議員秘書が補足的に時間に収まるように補佐するという形で議員の意思や政党の方針が見事に伝えられたのです。

このテクノロジーの進歩は大変目覚ましいものがあると思います。

そんな意味ではもう少し長生きをしていれば、テクノロジーが障がいを全てカバーして健常者と同じスピードで肩を並べて仕事ができる時代が来るかもしれません。

番組の冒頭ではまず、岸田首相が45分間にわたってコロナ対策から外交問題まで幅広く国の運営ビジョンのようなことを話慣れた口調で、さもこれだけ政策を打てば日本国民で暮らしに困ったり、生きづらさを抱えたりする者はいなくなると言わんばかりの論戦を繰り広げていました。

私はそれを見ていてとても腹が立ちました。

年末年始も関係なく、暖かい場所で過ごす事が出来るように炊き出しや当座の生活が出来るようなことに翻弄していた人々もいたり、私たちが地域で暮らす事を継続するために暮れもお正月もなく生活支援を淡々と続けた介護者達が奮闘していたりすることなどこの人は真に知る事はないのだと思えてなりませんでした。

政策とはそれによって国民が生きやすくなることであって欲しいと思います。

人の言っていることに腹を立てたり、文句を言ったりするのではなく、本当の意味でこの世の中が生きやすくなるために私自身に何ができるのか日曜の朝からつくづく考えさせられました。

議員の議席数の多い政党から順番に事前に録画したVTRを流すという形で同じ質問を全ての政党に投げかける流れで番組が進行していき、最後から三番目で私が注目していた議員の発言を聞くことができました。

重度障がいを持つ議員だからこそ語る事の出来る重要な事柄を、弱者の視点で語られていて他の誰にも論ずる事は出来ないものだと思いました。

消費税は福祉目的税と言われましたが、そうではない事を改めて知りました。

私も何回も生活困窮者や困窮学生に給付金という形でその都度受け取るか等という愚問な確認作業を行うために莫大な郵送料、人件費をかけてそんなお金では焼け石に水という情けの様に配る政策ではなく、継続的に生活が成り立っていく様な生活保護の拡充や就労支援に力を入れて欲しいとつくづく感じてしまいました。

本当に国民の困っている声に耳を傾けて話しているような一見良い内容の事を述べている政党は、実行出来れば素晴らしいのですが、弱小政党ばかりの発言なので実効性がとても薄いという点でやらなくても済むから大風呂敷を広げているように聞こえてなりませんでした。

今年は参院選も控えた年となっているので、早くも参院選の行方を示唆して何議席獲得して政党の運営を盤石なものにしたいなどと発言する党首もいました。

私はとにかく、どんな形であれ24時間介護や医療的ケアが必要な人が議員として政策決定の場にいるということを評価したいと思います。

まだまだこの議員たちに対する風当たりは強く、ネットなどをたまに覗くとヘイトスピーチも絶えないので心が苦しくなることもあります。

改めて思うのは、時代は確実に変わってきているということなので、夏の参議院選で仲間が政治に参画したいと思って欲しいと考えています。

忙しい夏になりたいものです。そんな頑張りを下支えする公的保証を求める障がい者運動を継続は力なりで推し進めていこうと思いました。

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

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