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地域で生きる/22年目の地域生活奮闘記67~暮らしの利便性を高めることは難しい~ / 渡邉由美子

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

この原稿を書いているパソコンが乗っているテーブルは新調したばかりのテーブルです。新しいものはやはり機能性が良くなっていて、心なしか原稿を書く口述筆記がスムーズになる気がします。春は別れと出会いの季節なので、まだ見ぬ顔の新しい出会いである人たちを思い浮かべながら生活が少しでもしやすくなるように机と椅子を新調しました。家の雰囲気を少しでも明るくして楽しく暮らせる空間にしたいと考えたからです。

いずれもアマゾンの通信販売で購入しました。使い勝手が良くて、使わないときは車椅子の通り道を確保するためなるべくコンパクトに折りたためるもので、私の収入で日常生活を圧迫せず購入できるものがなかなか見つかりませんでした。いくつかの条件を妥協して、どうしても妥協できない点をあぶり出して、これだという商品を思い切って購入しました。なかなか使ってみると満足のいく商品で良かったです。

今の場所で使えるようになるまでには大変苦労しました。組み立てるときにパーツが部屋の中を占拠してしまったので、もう私は一定の場所にとどまり動かないことにするほかない事態でトイレにも行けないし、玄関にもし人が来ても出ても行けない感じで閉じ込められた人となりながら、組みあがるまでの数時間を現場監督のように過ごしました。

女性介護者しかいない日常生活の中で、パーツが段ボールに入って送られてくる組立家具的なものは箱を開けてしまったはよいけれど、それこそ得意不得意の出てしまう介護となるので、出来上がるまでとても不安でした。

開けてしまえば返品もできないし、そうかといって出来そうな人が来るのを待っていれば車椅子が家の中を動けなくなってしまいトイレもお風呂も入れなくなり、それはそれで日常生活が麻痺してしまう状況に陥り、どちらにしても「わーもうパニック」という状況になるのです。

健常者であれば、いつもと違うものが多少置いてあったとしても身体を真横にして段ボールの横をすり抜けるとか、状況に合わせて自分の身体のほうを合わせることができますが、車椅子は1センチたりとも状況に合わせて小さくなることが不可能です。

ただでさえ狭いワンルームで、もともとスペースにそんなに余裕があるわけではない中での10年以上ぶりの机一つの買い替えがこんなに苦労するとは買う時には思いませんでした。何気ないことが、車椅子を降りることができないという条件下では一筋縄ではできないことをまた一つ思い知らされる状況でした。

もう一つ、今懸案事項になっているものがあります。事業所ファイルを収納している新しく買ったテーブルの横に置いている幅の細いキャスター付きの木製の棚が紙の重みに耐えかね、長年の使用で横板が広がってしまったために棚板が抜け落ち壊れてしまっているのです。

しかし幅40センチ高さ150センチ、車椅子が通るためや介護者交代のときに何かアクシデントがあっていつもどおりの交代時間に介護者が来られなかった場合、家具を移動してドアホンの受話器がとれる位置に車椅子を横付けする必要があります。

自分でインターホンに出て1階の玄関のオートロックを解除できなければ介護者が私の部屋に入室することができない構造の家に住んでいるのです。そのためテーブルの棚もキャスター付きという条件が必要で、今回組み立てた今使っているテーブルは折りたたみもできるしキャスターももともと付いています。しかし、棚は転倒の危険性が高いということでキャスターを付けることがお店的にはできないというのです。

動かせない据置式の家具的なものは、置いたら介護者とともに暮らす生活が不可能となってしまうなどの重度障がい者特有の事情をお話しました。店員さんはおっしゃることはわかるのですが、地震や移動の際に危険性が高いものは販売できないと言われて暗礁に乗り上げたままぶっ壊れ棚を使用し続けています。

毎日生活を支えるために必要な事業所ファイルはすぐに取れるところに置いておきたいし、あっちを立てればこっちが立たず状態で本当に困っています。

解決策はまったくないわけではなく、オーダー家具的に一から作ってもらえばすべての条件を満たすことは可能なのかもしれません。(それでも高さ150センチは、地震の際に介護者がその下で見守りすることを考えると危ないという課題は解決しません。)経済的なことを考えないわけにはいかない生活状況の私にとっては値段も青天井というわけには当然いきません。

何件ものホームセンターやお値段以上〇〇〇的な場所を巡り、考えて妥協点も見つけようとしていますが、なんともしがたい現状にあります。この際、荷物の断捨離というようなことを根本的に考えて、置く物を減らして自分の居住スペースを確保することも考えたいと思います。

長年ひとつ場所に住んでいると物や家具に場所をとられ、あるじである私が住む場所を失うという本末転倒な事態になっているので、車椅子でも安全安心快適に過ごせる我が家の再生を目指して努力を続けていこうと思います。

◆プロフィール
渡邉 由美子(わたなべ ゆみこ)
1968年出生

養護学校を卒業後、地域の作業所で働く。その後、2000年より東京に移住し一人暮らしを開始。重度の障害を持つ仲間の一人暮らし支援を勢力的に行う。

◎主な社会参加活動
・公的介護保障要求運動
・重度訪問介護を担う介護者の養成活動
・次世代を担う若者たちにボランティアを通じて障がい者の存在を知らしめる活動

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