昨年を振り返ると、多様性と識学(株式会社識学)が心に残る一年でした。昨年の前半は、多様性がなぜ必要なのかという疑問の解消のため、各所のセミナーや研修に顔を出していましたが、最終的には秋口に開催した社内セミナーで、多様性は、男性の労働力だけではこれからの日本社会は成り立たないこと、社会は個性や細かなニーズに行き届く商品やサービスのセミオーダーメイド化を求めていること、そしてイノベーションのために必要なのだということに自分なりの納得感を得ました。
また、私の主宰するジェンダーイクオリティ委員会において、多様性の一つである女性活躍推進に対し、当社代表の「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会、リーダーミーティング(内閣府主催)」への出席を取り計らい、また執行役員以上の方々を対象とした女性活躍推進についてのセミナーを開催することができました。よって、私にとって昨年は、多様性とは何かを学び、多様性の一つである女性活躍について、根拠をもって会社にそのサプリメントを処方できたと思う年でした。
そして年の瀬に識学のセミナーを受講する機会を得ました。計6回の講義において、ルール(チームの基盤としてルールを設けること)、役割(メンバーの役割は明確に定めること)、結果(いつまでに、どのような状態にするかを明確にすること)、責任(責任はリーダーが負うこと)などに対して、マネジメントサイドからの捉え方とこれらを軽視した際のリスクを教えていただきました。講師の方に、リーダーがそれぞれの行動様式を採らなかった際のメリットとデメリットを分かり易くお話しいただいたせいか、各回のテーマにとても説得力がありました。
そして回を通して感じたことは、多様性のある組織にはこうしたルールや役割分担の明確化が不可欠になるだろうということです。というのも、これまでの社会や組織は同質性と同調圧力の相乗効果により、周りの空気を読みつつ忖度をしつつ成り立ってきたように思います。
一方で、バックグラウンドや性や年代の異なる人たちの集まりは、ある種の異文化交流の世界で、そもそもの何かが違う人たちの集合体です。それゆえ、多様性自体が、何でもありの無法地帯とならないようにするために、社内の小規模なチームにおいても、これまで敢えて言語化されてこなかったことを言葉にしたり、誰が何に責任を持つのかを明示する必要に迫られるような気がしています。そういう意味で、多様性と識学の行動様式が繋がっているように感じました。
当社は今までもこれからも、社風として多様的な在り方は変わらないでしょうし、積極的に多様であることを追求すると思います。社員数もまだまだ増加の一途なので、どのように当社が今後進化していくのか楽しみでもあります。そして、これから一層当社の拡大スピードと統制環境が大きな課題になると思われます。多様な組織でどのような行動様式をどの水準で求めるのか、検証したい一年です。
◆プロフィール
吉岡 理恵(よしおか りえ)
1981年東京都生まれ。
東京都立大学経済学部卒業。
20代は法律系事務所にてOL、30代は介護・障害福祉分野で現場の実務や組織マネジメントを学ぶ。女性管理職応援中。
CLO 最高法務責任者