【「小さな声」を探し求める―「個」が躍動する組織のつくり方― 書評】第2回 S1グランプリ 渡辺 己湖(本社 人事労務部)

人は何のために働くのか/渡辺 己湖(本社 人事労務部)

「人は何のために働くのか。」

この本を読み終えた時、私はその問いについて深く考えた。

本の中には、介護という仕事を通して多くの人の人生に向き合ってきた方々の経験や想いが綴られていた。そこに共通していたのは、目の前の人を大切にすること、信頼関係を築くこと、そして自分自身も成長し続けることだった。

仕事とは、ただ生活のために働くことや結果・利益だけを追うことではない。
誰かの人生を支え、社会に必要とされる価値を生み出すことに大きな意味があるのだと感じた。

そして本を読みながら、私はこれまで何を大切にして生きてきたのかを振り返った。

私は小学3年生から15年間ソフトボールに打ち込んできた。卒業文集には「オリンピック出場」と書き、中学・高校ではキャプテンを務め、日本代表選出や海外遠征も経験した。

その中で大切にしてきたのが、「人間力なくして技術力の向上なし」という言葉である。
勝ちや結果以上に人としての成長、感謝の気持ちや仲間への思いやり、礼儀を大切にすることで信頼が生まれ、その先に技術の向上があると信じてきた。

この考え方を強く学んだ高校時代、コロナ禍で全国大会が中止となり、日本一の夢は絶たれた。
しかし私たちが真に目指したのは「日本一愛されるチーム」になることだった。

ゴミ拾いや挨拶を徹底し、理不尽なルールも見直し、誰もが意見を言える環境づくりに取り組んだ。

大学や実業団では結果を求められる環境で自らと向き合った。努力を重ねても結果が出ず苦しい経験をし、特に実業団では成果至上主義と、高校時代に培った「人間性や仲間を信じる心」との間で葛藤した。

結果はもちろん大切である。
しかし私にとっては、人との信頼関係や人として成長し続けることの方が大切な価値だった。

悩み抜いた末、私は15年間続けたソフトボールを退く決断をした。

目標を失い途方に暮れていた時に出会ったのが、株式会社土屋である。

介護の経験も採用の仕事も未経験だったが、重度訪問介護について調べる中で、人の人生を深く支える仕事であることを知り、強く惹かれた。

本を読み進める中で、株式会社土屋が大切にされている理念や、一人ひとりの利用者と真摯に向き合う姿勢に触れ、私がこれまで大切にしてきた価値観とも重なる部分が多くあると感じた。

小黒さんの「自分の正義を突き通すのではなく、相手の言葉に耳を傾け、共に考える」という言葉は、私がチームづくりで学んできた姿勢を改めて見つめ直すきっかけとなった。

また、「不易流行」という、変わらない本質を大切にしながら時代に合わせて変化していく考え方にも深く共感した。

吉岡さんの、信頼とは完璧なものを提供することではなく、より良く変わろうとする姿勢から生まれるという考え方も心に強く残った。
また、利益だけを追求するのではなく、本当に支援を必要としている地域へサービスを届ける高浜代表の姿勢から、社会に真に必要とされる価値を届ける尊さを深く学ばせていただいた。

本を通して、人を支える仕事とは、技術や制度だけではなく、人を思う心や信頼関係の積み重ねによって成り立っているのだと学んだ。
そして、それは私がソフトボールを通して学んできた「人を大切にする」「人として成長し続ける」大切さにも通じていると感じた。

ソフトボールを辞めた時、夢を失ったと思った。
しかし株式会社土屋との出会いが新たな夢をくれた。

それは人として成長し続け、誰かの人生を支える存在になることだ。
これからも感謝と人との繋がりを大切にし、株式会社土屋の一員として社会に貢献していきたい。

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