【Well-being委員会主催セミナー開催】『なぜ介護業界でウェルビーイングが重要なのか?』

 

『なぜ介護業界でウェルビーイングが重要なのか?』

開催レポート

介護業界において、従業員一人一人のWell-beingを高めることは喫緊の課題です。Well-beingの低下は個人の人生を困難にさせるのみならず、寿命にも悪影響を及ぼします。

企業にとっても離職率の増加に直結し、対人援助によるストレスの度合いが高い介護業界において、今、最も必要とされているものです。

当委員会ではこの度、「ウェルビーイングの第一人者」とされる慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司先生をお招きし、幸福学の基礎知識やWell-beingを向上させるメリット、今後の取組みのヒントの会得を目的に、社内および社外に向けたイベントを開催しました。

■登壇者


前野隆司先生(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授/慶應大学ウェルビーイングリサーチ センター長/一般社団法人ウェルビーイングデザイン 代表理事/ウェルビーイング学会 会長)

■開催概要


目的:土屋グループ全体のWell-beingを高めるために、「Well-beingの基礎知識」を学ぶ
開催日時:2024年1月11日(木)
開催場所:Zoomオンライン
対象:土屋グループ全従業員及び介護業界・福祉全般に従事する方(一般公開)

■テーマ


なぜ介護業界でウェルビーイングが重要なのか

■Well-being委員会・宮本武尊委員長からのメッセージ


私は18歳から28歳までの10年間、東京でフリーターをしながら人生を模索しておりました。なんの仕事をやっても長続きしなくて、自分が情熱を持てるような仕事に出会えず、日々もがいていた記憶があります。

介護業界で働いて今年で9年目になりますので、今のお仕事が1番長く続いていることを考えると、やっと情熱や誇りを持てる仕事に出会うことができたことを実感し、安心と喜びを覚えた次第です。

当時を振り返ると、重度訪問介護アテンダントとしてALSや筋ジストロフィーといった医療依存度の高いクライアントを中心に支援させていただいていた際に感じたことは、喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアもあるのでプレッシャーも大きく、常にクライアントの体調などの変化に気を配ることや、文字盤など難易度の高いコミュニケーションもあり、かなりの集中力が求められ、また、1日10時間前後の長時間勤務でしたので、心身ともに疲労が大きいことに驚きました。

しばらくすると、日々抱えるストレスの量と、余暇を自由に過ごしてストレスを発散する回復のバランスが崩れ、多量飲酒で余計に体調を崩してしまうこともありました。

一方で、毎日健康的に過ごしクライアントの在宅生活を支えながら活き活きと働く同僚や先輩方をみて、「このお仕事をやっていく人は本当にプロフェッショナルだ」と痛感し、心から業界の方々に尊敬の念を抱いたことを今でも覚えています。

そんな中、ストレスで疲弊して退職や業界から離れていく人も少なくありません。
対人援助職に志を持ち介護職に就いても、継続が難しいとなれば支援者にとって悲しいことですし、なにより、クライアントの安定的な生活を維持することができなくなります。

介護人材の退職率増加や業界離れが加速していくとは、日本社会においても喫緊の課題だと考えております。

そこで、当委員会では、従業員のストレスをどうしたら軽減していけるか、という観点から「ウェルビーイング」に着目しました。

ウェルビーイングとは、幸せな状態であることを意味しますが、その状態をつくっていく過程で、ストレスの軽減や耐性をつける、ということに繋がるのではないかと考えます。

従業員個々が心身ともに健康で幸せな状態をつくっていければ、お仕事を継続しやすくなり、エネルギーに満ちてパフォーマンスも上がり、クライアントにより良いケアを提供していける等々、様々なメリットを期待できます。

今回のイベントでは、ウェルビーイングの基本知識をはじめ、介護業界での必要性を学ぶために「ウェルビーイングの第一人者」としても知られる前野隆司先生をお招きし、豊富な知見をご教授いただきました。

■イベント後の感想


「難しい言葉を使わずに講義頂いたので、話の内容がよく理解できた」
「利他と自己犠牲の違いを学ぶことができた」
「考え方や幸せに関する統計情報や例から、普段考えない幸せの見え方や在り方を実感しました」
「『幸せはうつる、不幸もうつる』という言葉がとても印象に残りました」
「ポジティブ心理学やウェルビーイングの考え方を取り入れてみたり、幸福感が高まるよう、みんなと笑顔で過ごす時間を大切にします」
 

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