能動的6分間 / 雪下岳彦

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

「雪下岳彦の○○○という形で、コラムのシリーズタイトルを考えたいですね」

担当の方からメッセージが入りました。参考までにと、土屋ブログのタイトルリストも送られてきました。

そのリストを眺めつつ、しばしの間ブレインストーミング。。。
「雪下岳彦のゆきあたりばったり はどうですか?」と返信。最初にいただいたメッセージから6分後のことでした。

この6分間に、私の頭の中で何が起こったか?
まず、「雪下岳彦の○○○」というタイトル名をつけるのは、意外と難易度が高い!
似たようなネーミングとして、最初に浮かんだのは、「人志松本のすべらない話」でした。

これをなぞるとすると、「雪下岳彦のすべらない話」。そんなのハードル高すぎる!それならばと、「○○な話」で考えてみましたが、今ひとつ良いものが浮かばない。。。

あれこれ考えているうちに、声に出して読んだとき、すっと頭に残るようなタイトルがいいなと思うようになりました。だとすると、「○○○」は、私の名前と同じ「ゆき」で始まる言葉がいいかもと考え、ふたたびブレインストーミング。

とその時、降りてきました。「行き当たりばったり」

思えば、私の人生は、まさに行き当たりばったり。
すごろくのように、振り出しに戻るとなってしまったら、同じ人生をなぞることはできないだろうと言うくらい、偶然の連続なのです。たとえば、土屋の顧問に就任することになったのも、1年前には、いや半年前ですら全く想像できませんでした。

千葉ロッテマリーンズのチームドクターやスポーツ庁参与の仕事も、全くの想像外。
人の縁とタイミングが偶然に重なって起こった幸運としか言いようがありません。

最近知った話になりますが、スタンフォード大学のクランボルツ教授は「計画的偶発性理論」というキャリア理論を提唱しています。
これは「個人のキャリアの8割は、予測しない偶発的なことによって決定される」という前提で、何か偶発的なことが起こった際に、能動的・積極的な行動をとることがチャンスを増やすという考え方です。

計画的偶発性を起こしやすい5つの行動特性として、以下の5つが挙げられています。
① 好奇心
② 持続性
③ 楽観性
④ 柔軟性
⑤ 冒険心

私の人生も、ケガを含めて予測しない偶発的なことがきっかけとなっていることが多いです。まさに行き当たりばったりの人生ですが、この5つの行動特性はわりと当てはまっているように思います。

最後に、「行き当たりばったり」だと「いきあたりばったり」になるのかと思い辞書を引いてみると、「ゆきあたりばったり」とも読むようです。ただ、「行き当たりばったり」と書くと「いきあたりばったり」と読む方も少なくないだろうから、ひらがなで「ゆきあたりばったり」にしよう。

「雪下岳彦のゆきあたりばったり」

自分らしいタイトルで、しっくりくる!

よし、メッセージ送信!

能動的な6分間でした。

 

◆プロフィール
雪下 岳彦(ゆきした たけひこ)
1996年、順天堂大学医学部在学時にラグビー試合中の事故で脊髄損傷となり、以後車いすの生活となる。

1998年、医師免許取得。順天堂医院精神科にて研修医修了後、ハワイ大学(心理学)、サンディエゴ州立大学大学院(スポーツ心理学)に留学。

2011年、順天堂大学大学院医学研究科にて自律神経の研究を行い、医学博士号取得。

2012年より、順天堂大学 医学部 非常勤講師。

2016年から18年まで、スポーツ庁 参与。

2019年より、順天堂大学 スポーツ健康科学部 非常勤講師を併任。

2020年より、千葉ロッテマリーンズ チームドクター。

医学、スポーツ心理学、自律神経研究、栄養医学、および自身の怪我によるハンディキャップの経験に基づき、パフォーマンスの改善、QOL(Quality of Life:人生の質)の向上、スポーツ観戦のバリアフリーについてのアドバイスも行っている。

 

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