「自信」と「驕り」 / 五十嵐憲幸(ホームケア土屋 東北 ブロックマネージャー)

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

重度訪問介護従業者養成研修統合課程。土屋に入社して仕事をする際、基本的にこの「統合課程」を受講することになるわけですが、重度訪問介護の経験のない一部の受講生が「統合課程を受講してみて、やっていける自信がない」と仰って辞退されたりします。
つまり辞退される方々はやったこともないのに自信がないと言います。

ここでいう自信とは一体何でしょうか。
「自信は努力によって裏付けられる」
きっとそう思っている方が多いのではないかと思いますが、逆説的に努力無くして自信は生まれませんし、自信を持つために努力するわけであって、スタート地点にも立っていない状況で自信のなさを訴えるのはちょっと違うような気がします。

もちろんそれぞれの経験則から「一対一のコミュニケーションが苦手」であったり、「何をやっても不器用すぎて」とか、何かしらの本質的な理由があってのことでしょうから辞退することについて問うことはありませんが、自信がないということにはならないわけです。

一方、仕事をしていくうえで必要な自信とは「相手を不安にさせない」ことであるとも言えます。

私たちが日常的に仕事をしていく中でおこなっている報告・連絡・相談いわゆる「ホウ・レン・ソウ」、これも「相手を不安にさせない」ようにして円滑に業務を遂行するために大変重要なものです。

土屋の主たる業務が重度訪問介護であるということにおいてコミュニケーションは不可欠の要素でありますが、クライアント(ご利用者)やそのご家族、ケアマネや他事業所などとのコミュニケーションはもとより、特に孤立しがちな自社アテンダント(ヘルパー)とのコミュニケーションは最重要視しなければならないものであり、これらについても自信を持ってアテンダントを介護の最前線に送り出すことで自信を持ってクライアントにサービスを提供できることに繋がります。

努力の積み重ねが自信に繋がるというのは前述した内容のとおりですが、対して「驕り」とは言い換えれば「自信過剰」であり、慣用句で言うなら「天狗になっている」、類義語で言うなら「自惚れ」というような否定的な言葉となります。

必要以上に自信を持っていることで周りが見えなくなることもあるわけでして、介護現場において特にありがちな事象としては「相手は理解していると思っていた」ことでクレームに発展してしまうなど、これらは驕りの結果なのではないでしょうか。

介護には何が必要か?と聞かれたとき、いつも「目配り」「気配り」「心配り」と答えています。
特に「気配り」については「気配」を感じ取る、つまり「空気を読む」ということで、周囲や相手に対して気遣うことでより良い仕事をするためにアンテナを張り巡らせる必要があるのだと思います。

私自身、「自信がない」と思うことも多々あり、これは努力が足りないものとして研鑽に励みたいと思いますが、併せて自信をもっておこなっていた部分についてもできうる限り日々振り返って改善を図り、円滑な仕事をしていきたいものです。

 

五十嵐 憲幸(いがらし のりゆき)
ホームケア土屋 東北

 

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