防災委員会 避難訓練レポート

東京都江戸川区在住の名雪健司様宅での災害対応訓練を実施して

訓練日 2022.7.16
最大浸水想定で10M、想定される長期浸水期間は 2 週間、と言われている荒川河川近 隣に在住のクライアント
名雪健司様宅で、「地震災害・風水害」に備えた訓練を、2022 年 7 月 16 日(土)に実施(真夏日の想定での訓練)

1. 訓練実施に向けての準備

訓練に備えての準備は 2022 年 1 月より開始し、災害対応パーソナル BOOK の活用を 開始。現場アテンダントがパーソナル BOOK の使用方法の理解が進められていない現 状を変える為、名雪様のご協力を得て、「土屋としての災害対応の考え方の説明・BOOK の書き込みの仕方・聞き取り」などの過程を動画で記録させていただいた。 これを後日編集し、土屋防災委員会の中で説明動画として活用した。 新型コロナ蔓延期にあり、1 月 BOOK 作成から 7 月訓練までの期間が空いてしまった が、6 月より再び準備開始し無事に決行することができた。

2. 当日の参加メンバ―・訓練内容

当日は、普段支援に入っているアテンダントや他事業所の介護士 3 人が災害時の対応 を実施した。その他、管轄行政である江戸川区福祉課の職員、他事業所の防災担当、福 祉防災コミュニティ協会の上級コーチ、土屋防災委員会のメンバー、総勢 15 名の訓練 となった。 訓練にあたって、実際、災害時対応をするメンバーには見学人との区別を付ける為にビ ブスを着用してもらい、緊張感を高める為にもヘルメットを着用してもらう、というよ うな準備もした。

◎前日 7 月 15 日に災害伝言ダイヤル「171」を使用した連絡連携の確認

訓練当日参加メンバー

名雪健司、山下達也(あいしん介護)、高野茂宏(ひのき)、寺田孝介(土屋)、小川力 信(土屋)、五十嵐憲幸(土屋)、横内康行(福防協)、鬼澤慎太郎(STEP えどがわ)、 市川裕美(STEP えどがわ)、高村優花(土屋)、古本聡(土屋)、岡田千秋(土屋)、 中沢清人(江戸川区福祉部福祉推進課長)、原香織(土屋) 計:14名

 

【地震訓練】停電・断水・ガス停止下での災害対応

  1. 緊急地震速報がなり、身を守る、ヘルメットを被るところからスタート
  2. 地震が一旦おさまった後、出入口の確保(今回は玄関ドアが歪み、非常口を使用)
  3. 部屋内で安全な場所へ身を置いた後、外へ出て周辺状況の確認 (確認事項としては、火災・建物の破損ひび割れ・周辺住民の状況、場合によっては堤 防の破損・液状化など)
  4. クライアント中心の支援チームの活用(他事業者 2 名が追加応援依頼)
  5. こまめに情報の取得をする
  6. ガスボンベ式の発電機を稼働、扇風機に接続+霧吹きで体温上昇を抑える役割
  7. 支援者が到着したら、名雪さんを見守る人と災害時の対応をする人で分かれて行動 災害時対応:簡易トイレの設置、トイレ逆流予防の水のうの設置
  8. 名雪さんご自身と自宅が現在は過ごせる状況であることを支援チームに通知
  9. 訓練終了

【風水害訓練Ⅰ】巨大台風接近時の災害対応

(広域避難はしない、マンション5階へ避難 停電する前に避難できるバージョン)

巨大台風5日~3日前

  1. 名雪さんとアテンダントで気象情報を見て巨大台風接近を確認
  2. 避難する際の持ち物チェック開始
  3. 各種機器の充電状況の確認(リフト、車イス、スマホ、iPad など)
  4. クライアントの支援チームに気象情報の共有と今後の予定を連絡する

巨大台風2日前(気象状況をこまめに確認しながら)

  1. 持ち出すものを避難バッグへ、チェックしながら入れる
  2. 支援チームに1・2名の追加の支援要請
  3. 支援者の 1 人:マンション5F の避難予定場所にレジャーシートで場所確保
  4. 支援者の 1 人:食糧の補充

巨大台風 2 日~1 日前

  1. 避難開始 名雪さん・リフト・発電機・扇風機・霧吹き を5階へ
    生活用水のタンク、簡易トイレ時に使用するシャワーチェア&簡易トイレ 食糧、水、ガスボンベ、ソーラー発電セット、簡易ベッドなど 1週間分
  2. 最後に部屋を出る支援者は、ブレーカーを落とし、トイレ、排水口へ水のう カギをかけて5F へ
  3. 他のメンバーと合流

【風水害訓練Ⅰ】巨大台風接近時の災害対応

(広域避難はしない、マンション5階へ避難 停電時、人力で上の階へ移動)

巨大台風 2 日~1 日前

  1. エレベーターが STOP している為、人力での垂直避難を考える
  2. 支援者3人が居る状態だが、荷物の盗難防止などを考え、近くにいる方2人に声を 掛けお手伝いをお願いする。
  3. 人力で運ぶ際は、自走式の車イスにのっていただく
  4. (4方向から持つ)階段で運ぶ前にその場で、持つ場所・バランスの確認
  5. 実際に1F~2F まで運ぶ
  6. 階段の途中で、運ぶ際の角度を調整し、運びやすい角度を見つけ2F まで運ぶ
  7. 2F まで運び、名雪さんの体調・感想を伺いⅡの訓練終

今回の訓練は、避難生活の部分、帰宅まではやらずに避難までで終了

3. 課 題

  • 風水害訓練Ⅰで避難をする際、一度にエレベーターに乗れる容量の把握ができていなかったので、その部分で支援の人が1人必要になる事が分かった。
  • 風水害訓練Ⅱの人力での搬送時、4人の人間が必要だったが、実際に避難する時にもっと少人数でも避難できる方法を見つける必要がある。
  • 支援者がいない時の避難方法として、名雪さんご自身で玄関の扉を開けることが必要になる可能性がある。その方法は要検討

おわりに・・・

今回の名雪さん宅での災害対応訓練には、関係する複数の介護会社、お住いの地域の福祉
部の方も参加して下さいました。また、訓練当日は参加が叶いませんでしたが、居住マンシ
ョンの自治会長さん、自主防災組織長とも計画段階でコミュニケーションを取る機会をつ
くる事が出来ました。地域との連携を更に強化していきたいです。

この模様は動画で配信しております。

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