ジェンダーイクオリティ委員会 レポート 6

取締役&執行役員が女性活躍推進についての研修を受講しました

「管理職の男女比50%」の目標を掲げる当社は11月20日、取締役&執行役員を対象に、女性活躍推進に関する研修会を実施しました。株式会社Surpass代表取締役社長の石原亮子様にご登壇いただき、DE&I(Diversity, Equity and Inclusion)の意義や効果、女性の出世への意識やアンコンシャスバイアスについてレクチャーいただきました。

 土屋ではどう取り組んでいくべきか。目標達成に必要なことは?研修後、参加した30~40代の男女にヒアリングし、働いていて感じる違和感やダイバーシティの必要性について、ざっくばらんに語ってもらいました。ヒアリングはジェンダーイクオリティ委員会の吉岡理恵委員長が担当しました。

研修の感想

吉岡

まず、研修の感想をお願いします。

杉隆司・営業推進部部長(40代、以下杉)
昔は女性が家にいて、育児や家事をするのが当たり前とされていました。でも、今は違います。世の中の価値観に合わせて組織も変化していかないと、仕事になりません。今の介護業界は女性ありきです。女性職員にはどんどん上に行って、色々な発見やフィードバックをしてほしいと思います。僕自身の成長にもつながります。ただ企業の経済基盤がしっかりしていないと、継続な取り組みは難しいと思います。僕も尽力したいです。

大庭

大庭竜也・最高人事責任者(30代、以下大庭)
研修で「女性活躍推進には、視点の数が増える効果がある」との話があり、とても共感しました。僕が担当している人事・総務担当は9割が女性です。男性が気づかないところに気づく女性は多く、僕自身とても助けられています。

またSurpassさんは福利厚生の一環で低用量ピルを提供しているそうで、僕も高浜代表から検討してほしいと言われています。ただ、実は少し違和感を抱いています。なぜ女性が管理職になりにくいのかを考えると、生理というより、男性側にも原因があるのではないか、と思うからです。 育児する男性は増えつつあります。僕も毎日子どもを保育園に送っていて、周りを見るとパパが多い印象です。しかし、依然として「女性が育児するのが当たり前」という風潮は残っています。まずは男女で、育児・家事の分担を5:5にするのが大事だと思います。土屋で女性管理職を増やすには、男性がその点を理解する必要があります。

吉岡

現在、奥様と家事・育児をどう分担していますか。

大庭

うちは半々だと思います。私の仕事が終わるのが20時ぐらいです。保育園が17時までなので、妻が一人で3時間ぐらい子どもを見て、帰宅後3時間は僕が見ます。お風呂に入れ、寝かしつけるまでが僕の担当です。

うちもだいたい5:5ですね。料理は妻、それ以外の家事は僕が担当しています。ただ妻は子どもの習い事の送迎もやってくれているので、実際は彼女が6、僕が4ぐらいかもしれません。

大庭

僕はいま30代で、プライベートでは20代後半~30代の人とよく接します。家事・育児に積極的な人は多いですね。誰かに言われたからやっているわけではなく、「育児をしていないほうがダサい」という風潮があるように感じます。

環境は大きく影響すると思います。以前金融で働いていたときは、朝6時半に出社、夜11時に帰宅する生活でした。土日も営業へ行くのが当然とされていて、子育てや家事はできませんでした。女性スタッフも同様の働き方を強要され、次第に辞めていきました。

この会社に入ってからは、家事や育児を手伝うのが当たり前になりました。大庭さんが言っていることとリンクするかもしれませんが、周りがみんなそうしていると、それがだんだん当たり前になってくる。1年ぐらいたつと、スタンダードになるんじゃないかと思います。

吉岡

土屋は管理職の男女比5:5を目標としていますが、達成できると思いますか。また、どうすれば目標に近づけられると思いますか。

僕は達成できると思いますし、やるのであれば1年以内が良いと思っています。仮に失敗しても現場は回るし、良いんじゃないでしょうか。1年、もしくは2年で、試験的でもやってみることが大事だと思います。

大庭

女性管理職は増やせると思っています。今後土屋であらたな事業が立ち上がっていくにつれて、女性管理職は増えていくのではないでしょうか。

色々なポストがあると、それぞれの潜在能力を生かしやすいですね。仕事が多岐に渡れば渡るほど、女性の定着率も高まると思います。

吉岡

女性管理職を急激に増やした場合、反発も予想できます。

初期段階は会社の方針として決めて、まず土壌をつくることが大事だと思います。仕事ができていない女性を(管理職に)上げるのは間違いですが、チャンスの場を提示してサポートするのは、僕らのポジションがやらなければならないことです。


吉岡

研修の感想をお願いします。

魯山

魯山香織・関西ブロックマネージャー(30代、以下魯山)

女性職員はなかなか昇進したがらないという話がありました。たしかに私も女性職員に声をかけた際、いの一番に「責任を取る役割はいやです」と言われた経験があります。もちろん、責任が伴わない仕事はないと思いますが。ただこのように断られた場合、「ああそうか」とすぐに引き下がってしまう男性上司は多いかもしれません。しっかり対話を重ねる必要があります。

私がマネージャーになるときは、上司だった杉さんがしつこいぐらい声をかけ続けてくれました。もしかしたらPMSなども考慮して、「今日は話すべきではない」「今日の話はここまで」と考えてくれていたのかもしれません。チャンスをいただけてありがたかったです。

今は杉さんのような対応を「優しいよね」と片付けられてしまいます。優しいというより、「理解がある」と言ったほうが正しいと思います。会社としても「あの人は優しいから女性部下を昇進させている」と考えるのではなく、社員全員が理解することが大事だと思います。

澤田

北海道・東北ブロックマネージャー(40代、以下澤田)
改めて、たくさんの課題があるのだと認識しました。私が最も大きい課題のひとつだと思うのは、女性のからだの仕組みを知らない人が多いという点です。生理やPMS、更年期について、社内でもっと発信しても良いのではないでしょうか。私たちは仕事で排せつ介助もしています。恥ずかしいことなんてないし、女性だけの問題ではありません。

 当社で管理職の男女比を50%にするのであれば、根底の問題に目を向ける必要があります。私も色々な仕事をしてきましたが、今でも「仕事以外にもやることがいっぱいあるので、それは遠慮したい」と思うことがあります。周りの男性や、昔で言う「おつぼねさん」の仕事ぶりを見ると、「自分は同じように働けない」と思ってしまうからです。体の不調が重なると、余計そう思いますね。育児や家事に男性を巻き込んでいくこと、そして職場の心理的安全性を高め、男性と同等の立場でやっていける環境をつくることが必要だと思います。

吉岡

お二人はダイバーシティや女性活躍をどうとらえていますか。

魯山

女性がいる組織=多様性がある、とは限らないと思います。大切なのは、ひとつの意見に偏らないことです。会社を大きくしていくためには、男性、女性、障害者、外国人、色々な人がいる状態を作る必要があるのではないでしょうか。 また個人的には「女性なんだから配慮してくれ」と大々的に言うのに抵抗があります。配慮がないと男性と同じ仕事ができない、とみなされるのは嫌です。今もきっと、知らず知らずのうちに配慮してくださっている人がいると思いますが、「弱者」「男性とは違う」などの要素が全面に出されるのは良くないと思います。

澤田

男性だから、女性だから、障害者だから、学歴があるからなどと考えず、いったんみんなで目線を合わせることが大切だと思います。多種多様な人たちがいる中で、うまく互いに力を分散させながら仕事ができれば良いなと考えています。

吉岡

土屋は管理職の男女比5:5を目標としていますが、達成できると思いますか。また、どうすれば目標に近づけられると思いますか。

魯山

男女関係ないかもしれませんが、まずは役職の役割を明確化することが1つかなと思います。コーディネーターやブロックマネージャーを経験させてもらって思ったのは、仕事内容の線引きが曖昧で、必要に駆られた時は何でもやらなきゃいけない、ということです。キャパシティやメンタルの状態を理解していないと、自分で自分を追い詰めてしまいがちです。「役職がついたら、膨大な仕事量を全部やらなきゃいけない」というイメージがあると、女性管理職は増えないと思います。

澤田

女性がなかなか昇進しない原因を、まだ見極めきれていないと思います。まずはそこをきちんと分析する必要があります。たとえば、他の人の前で発信しにくいと感じる女性は少なくないと思います。人前に出ることが苦手というよりは「周りはどんどん仕事して前へ進んでいるけど、自分はそこまでできない」と、少しひいてしまう感覚です。男性と同じスピードでやらなきゃと思うと、気持ちに余裕がなくなってしまいます。スピード感は少し落ちるかもしれませんが、「このレイヤーはここまでやろう」といった指標を一つ一つ作る必要があると思います。

TOP