信頼 / 青山純二(本社・新規エリア開発部門 シニアディレクター)

土屋ブログ(介護・重度訪問介護・障害福祉サービス)

信頼されるには家族や親友等の同等以上の関係性が必要ではないだろうか。
つまりは、短期間では築き得ない長期に渡るコミュニケーションを通じて接した結果、信頼関係が良いも悪いもそこで初めて生まれるのではないだろうか。

我々、介護の例になぞると新しいアテンダントが最初から1人で支援することはまずないに等しい。新しいアテンダントは必ず、その支援に携わっていて支援をほぼ知り尽くしているアテンダントと一定期間、一緒に伺って様々なことを習得していくことが通例である。要するにこれが同行研修である。

先に述べた様々なこととは例えば、ベッドから車イスに移る際の移乗介助、褥瘡防止の目的で身体を左右に起こす側臥位、排泄処理後のオムツやパット交換、人工呼吸器を装着されているクライアントに対して口腔内や気管カニューレ内の喀痰吸引及び、食事介助にあたる胃ろうによる経管栄養、及び非言語コミュニケーションにあたる文字盤というツールを介して日常的に行われているコミュニケーション等々まだまだたくさんあるが、新しいアテンダントはこれらを生活全般に渡るクライアントの日常生活を支える上で、習得することが必須である。

これらのことを同行研修中に内容を把握しているアテンダントから教わり、着実に習得していき、クライアントに対して非言語コミュニケーションツールである文字盤もしくは言語コミュニケーションである会話を通じて関係性を築いていくことが信頼に繋がっていくことだと思っているし、色々覚えることも信頼を得る第一歩である。

最初は色々覚えることが多く、信頼を得ることは容易くはない。無資格未経験の方が最初に陥りやすいであろうことは自分勝手な判断で行動し自分勝手な理解をしてクライアントの要望から逸脱して全くクライアントの意に反したことをしてしまった結果、信頼を失ってしまうことが予測される。または同じことを何度も指摘され、そういう結果となってしまう。

これは無資格未経験の方に限らず、介護資格保持者や経験のある方にも同様である。今まで培ったスキル等はそのクライアント毎に違いがあり、通用するとは限らない。
例えば10人のクライアントがいると仮定したら10人とも同じ支援内容ではなく、むしろ10通り存在する。

したがって新たなクライアントの支援をする際は経験未経験問わず、今まで培ったスキル等は一旦、置いておいて一から覚える必要がある。経験者であっても新たなクライアントの支援をすることは、いわば未経験の状況と言える。

支援内容を一から覚え、コミュニケーションをしっかりとり、コミュニケーションについては間違った理解はしてはいけない。

我々のサービスは主に訪問介護であるため、基本的にはクライアント1人に対してアテンダント1人の構図である、いわば1対1の介護である。やがて新しいアテンダントが独り立ちした時にクライアントはアテンダントに命を預けられるか否か、同行研修の一定期間、クライアントに見極められるのである。

クライアントもアテンダントもお互いに信頼が生まれないと、アテンダント側にとって良い支援も出来ないし、クライアント側にとっては要望も訴えることは出来ないのではないか。

冒頭で短期間では信頼関係は築き得ないと述べているが、介護では同行研修を経て独り立ち後に更に長期に渡って家族や親友と同等以上の関係を築いていくことが、我々の使命なのかもしれない。

 

青山純二(あおやま じゅんじ)
本社・新規エリア開発部門 シニアディレクター

 

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