
「小さな声」に寄り添う介護~心の振動でつながる安心感~/YULI PURNAMASARI(グループホームのがわ弐番館)
私は現在、介護職として働いています。
もともと人間理解や心理学的な視点に関心があり、人の行動を観察したり、その奥にある想いに耳を傾けたりすることが得意でした。
日々の業務の中で、言葉でうまく気持ちを表現できないクライアントと接する機会が多くあります。
本書の『「小さな声」を探し求める』という言葉を読んだとき、私はいつも向き合っているクライアントの姿、そして日本での自分自身の経験を強く思い出しました。
実は、私はインドネシアから遠く離れた日本にやってきて、今も一生懸命に言葉の壁と向き合いながら生活しています。
来日当初、日本語がうまく伝わらず、自分の想いを誰にも聴いてもらえないような、孤独で苦しい時期を経験しました。
心の中にたくさんの想いをため込んでしまう辛さが、痛いほどよく分かります。
だからこそ、介護の現場で言葉が届かずに苦しんでいるクライアントの気持ちが、他人事とは思えないのです。
ある時、お風呂介助の時間を極度に嫌がり、スタッフに対して怒り出してしまうクライアントがいました。
多くのスタッフが対応に苦慮する中、私はその方の「小さな声」に耳を傾け、じっくりと観察することに努めました。
なぜ怒っているのか、何に不安を感じているのかを知りたかったからです。
介護の現場では、時間が限られていることも多く、効率が優先されがちです。
しかし、私はその方の隣に寄り添い、否定することなく、じっくりと話を聞きました。
すると、その方は次第に落ち着きを取り戻し、最終的には安心した笑顔でお風呂に入ってくださるようになったのです。
この経験を通じて、私は大切なことに気づきました。
人は自分の話を真剣に聞いてもらえると、それだけで「守られている」「尊重されている」と感じ、大きな安心感を抱くということです。
そして、言葉の壁を越えて、私たちが発する「寄り添おうとするエネルギー」や「心の振動」は、必ず相手に伝わります。
こちらが穏やかな心で向き合えば、相手の心も自然と穏やかになります。
これこそが、本書の言う「個」を輝かせ、お互いが躍動する関係性の第一歩なのだと確信しました。
土屋グループの一員として、これからも私は、自分自身の経験を糧にしながら、目の前のクライアントの「小さな声」や、言葉にならない心の叫びを見逃さない介護を続けていきたいです。
一人ひとりの「個」に寄り添い、安心できる環境をつくることで、より温かい組織と社会の実現に貢献していきます。





















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