「膨張にならないための運営」~創業2周年を迎えて~ / 荒井大樹(土屋ケアカレッジ)

おかげさまで株式会社土屋は8月で創業2周年を迎えました。

関東ブロックは、前会社からの事業継承ではなく、ゼロからのスタートでしたので、東京に事業所を開設するところから始まりました。
自分たちでチラシを作り、毎日営業に走り回っていた日々を懐かしく思います。
そんな関東ブロックも現在では、東京、千葉、埼玉、神奈川、群馬、茨城、栃木、山梨と1都7県に8事業所を立ち上げることができました。

事業所が増え、クライアントが増え、スタッフが増え、会社が急激に大きくなっていく中で、危惧すべきは

「拡張ではなく膨張になっていないか」

ということです。

サービスの質や体制を、整えながら成長していけば問題ないですが、中身が伴わずに、外側ばかりが大きくなると、それは膨張していることになります。風船と同じで突っつけば破裂してしまう状態です。

私は、会社とは、「シュークリームのようなものだ」と考えています。
外側のシュー生地(ハード面)を作るのは会社の役割です。その中にクリーム(ソフト面)を詰めていくのは現場の役割です。中身が詰まっていれば風船のように破裂することはありません。

そのために現場がすべきこととして、第一は人員体制の整備です。

自分一人ができることは限られており、どんなに頑張っても、限界は見えています。
やはりマネージャー、コーディネーター、アテンダントが連携して各自の役割を果たせるチーム作りが必要です。また、ギリギリの人数でシフトを回すような綱渡り状態では、何かあった時に「支援に穴」が開いてしまい、クライアントの生命や生活を守れなくなります。
きちんとしたバックアップ体制を整え、アテンダントの労働環境も確保したうえで、サービスを受けていただくリスクマネジメントが大切と考えます。

第二にサービスの質の向上です。

重度訪問介護は、無資格・未経験でも資格取得できるという、介護資格の中ではハードルが低いものです。
メリットとしては人材確保がしやすく、すぐに介護の仕事を始められますが、一方では知識不足や技術不足の状態で支援に入っていくデメリットもあります。

とくに重度訪問介護ではクライアント1人1人に合わせたパーソナルなケアが求められるため、コーディネーターや、先輩アテンダントによる現場での「同行研修」が重要になってきます。アテンダントの独り立ちを急ぐあまり、十分な研修期間を設けないまま終えてしまうと、クライアントの望むケアがおこなえず、質の低下につながっていきます。少し時間はかかっても、細かい部分まで教えること、クライアントとの信頼関係構築までをおこない、お互いが安心してケアできる、受けられるレベルにすることで、最終的には事業所の信用や評判を高めることにもなります。

会社が創業から3周年、4周年と持続していくためには、それぞれの事業所がクリームがパンパンに詰まったシュークリームを作ることが重要です。

ただ単に事業所数が多い、アテンダント数が多い、クライアント数が多い企業ではなく、中身の伴った運営ができるよう、微力ながら取り組んでいきたいと思います。

 

荒井 大樹
ホームケア土屋 関東

 

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