【異端の福祉 書評】異端の福祉を読んで / 渡邉祐樹(本社管理部 人事課 リクルート推進室)

異端の福祉を読んで / 渡邉祐樹(本社管理部 人事課 リクルート推進室)

私自身は、一般的なキャリアパスを進んできたため、30歳までアルバイトをして生きてきた社長のキャリアには、現代の時代背景において一定のマッチングがあると感じました。

働き方は変化してきましたが、通常は高校卒業後に大学進学し、卒業後は新卒で就職するという流れが一般的です。
やりたい事が分からないのに、一生働ける会社を探して就職し、気づいたらあっという間に時間が経ってしまって後悔する事もあります。

高校や大学を卒業してから自分を見つめる時間がないまま就職する事は果たして正解なのでしょうか?やりたい事がないなら、あえて就職までの時間を空けて、その時間の中で色々な経験や出会いを経て、興味関心のあるものを見つけてから本気で働き始めても良いと思います。

私はサッカー選手になる事が夢で大学まで進学しましたが、大学卒業と同時にプロの道を諦めて社会的な流れに任せて会社員となりました。就職した会社は将来安定と言われる大手企業でした。

サッカー以外に何をやりたいか分からなかったのですが、何となく社会貢献性の高い仕事がしたいという思いはあったので、とりあえず大きな会社に就職すれば、沢山の人の役に立て、間違いない道だと信じていました。

しかし、”安定”は恐ろしく人を怠惰にし、人の役に立つという本来の目的を忘れさせてしまう事もあります。不平不満が蔓延し、成長意欲も時に失われそうになりました。何となく一般的な流れで就職した事により、沢山の後悔をしました。

あらゆる危機感から会社員を辞め、余白を設けた後に、現在は医療系の専門学校に通いながら個人で活動したり、アルバイトをしながらやりたい事に向き合っています。

重度訪問介護サービスは、非常に社会貢献性の高い仕事だと思います。私自身、医療系の専門学校に通う中でALSやその他多数の疾患について学び、その課題解決の重要性について日々深く考えさせられています。

また、私は知的障害者のサッカークラブや精神障害者の方々との関わりもあり、医療の勉強や福祉の活動を通じて、見た目ではわからない社会的問題が多く存在することを知りました。重度訪問介護サービスによって、実際に救われた人々が存在する事を知り、私も障害で悩んでいる人々の助けになりたいと再確認しました。

とはいえ、思いだけではなく実際の行動へと移す事は容易ではありません。私たち個人の現在の能力や環境によって、出来る事には限りがあり、給料を頂きながらでないと活動の幅を広げられません。

ですので、高浜社長の利益追求の経営方針には賛成ですし、大変感謝しています。このような経営方針がなければ関わる事ができない仕事でしたし、同じような人も多いでしょう。

しかし、業界の発展のために給料を上げる事には賛成ですが、ボランティアの要素も一定程度必要だと考えています。実際に、勤務時間外に見えない活動を行っている人々が多く存在し、自分の時間を使って勉強したり情報を発信するなど、時間外の活動が含まれています。

現在の土屋の社員の中には、このような人がどれだけいるのかは分かりませんが、重度訪問介護サービスの普及のためには、時間外での努力も必要であると考えています。

現代では、ネットの普及により個人が発信力を持つ事が出来る時代です。個人の発信は共感を得やすい側面もあります。ただし、多くの人々が発信する事で嫌われる可能性や問題が起こる事を恐れて、意見を全く述べないという状況は避けるべきです。

一定の範囲内で意見や発言を行う事は非常に重要です。また、社員一人ひとりが自分事として受け止め、行動する仕組みを作り、重度訪問介護について多くの人々に知ってもらう必要があると思います。

社員の増加により理念が薄まる前に、まだ出来る事があるように思います。そして、私自身、様々なボランティア活動を通して感じてきた事ですが、労働と対価のバランスは難しい問題だと思っています。

ボランティアで関わりたいと思う人々が多く存在し、そのような人々はお金が発生すると、人のためが自分のために置き換わってしまい、報酬は貰いたくないと感じる人さえいるのも事実です。

また、高給与は仕事をプレッシャーに感じさせる可能性があります。もちろん、命に関わる仕事のため、大変である事を認識した上で責任を持って携わっていただく必要があります。 ただし、冒頭にも述べた通り、安定や高時給は人の成長意欲を阻害する要素でもありますので、 給与のバランスは非常に難しい問題だと思っています。

本書を読んで、社長の理念をこれまで以上に理解できたと感じていますが、本書を読まなければ分からない事も沢山ありました。YouTubeやSNSなども一通り拝見しましたが、まだ社員に完全に伝わっていない部分もあると思います。ですから、私自身も社会と会社のために周りをより良い方向に巻き込みながら勤務したいと思いました。

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