【異端の福祉 書評】異端と正統 / 中野八重(ホームケア土屋 福井)

異端と正統 / 中野八重(ホームケア土屋 福井)

異端の福祉を読み終えて、過去に自分の中で抱えていた介護業界で働くことへの劣等感を恥じました。

それなりの企業に勤め、金曜日の夜はお酒を飲みに繁華街へ行き、土日は旅行やキャンプに出かけて休日を楽しんでいる友人を私は羨ましく思い、自分で事業を立ち上げ成功している友人、テレビで活躍している友人、他業種で働く友人を眩しく感じていました。

不定休で給料も友人達の半分にも満たない。
休みが合わないということもありましたが、劣等感に苛まれ、次第に会う機会が少なくなっていきました。
そして、同じ業界で働く友人と愚痴大会のようなものを開いては、虚無感を抱いていました。

しかし異端の福祉を読了し、
劣等感を抱く必要はない。
介護で稼いでもいいんじゃないか?
そんな前向きな気持ちになることができました。

実際に、土屋に入社後アテンダントを経てコーディネーターに昇格させていただいた今、当時劣等感を抱いていた企業勤めの友人と遜色ない水準の給与をいただくことができています。

給与はモチベーションにも直結し、愚痴大会に参加することもなくなり、目の前の課題をどうすれば解決できるか、皆で楽しく働くにはどうすれば良いか、を考えることに時間を使うようになりました。

まだまだ3Kイメージの強い介護業界ですが、私がかつて友人を羨ましく、眩しく思っていたように、キラキラ働いていれば自然と業界に足を踏み入れてくれる人も増えるのではないか。

そして勇気を持って踏み出してくれた人がより良い環境で働けるよう、整えていかなければならないと思いました。

高浜代表のこれまでの人生や、普段は所属ブロックが違ったり、直行直帰でなかなか知ることのできない土屋の仲間達の背景を垣間見ることができたことも、とても良い刺激となりました。
本当に様々な方が共に働いているのだと一体感を覚えました。

「異端」の対義語は「正統」です。
では正統の福祉とは何なのでしょうか。

サービス残業は当たり前、最低限の賃金で、ヘルパーのボランティア精神頼みの運営が正統なのでしょうか。

自分に余裕がなければ相手の話を真摯に受け止めることはできません。
私達はクライアントの声にいち早く気付き、耳を傾けることができるようにしなければなりません。
そのためにも「異端」であることの必要性を感じました。

高浜代表が掲げている「異端の福祉」が日本中に浸透し、いつかそれが「正統の福祉」、つまり当たり前になることを願い、これからも土屋の職員としてクライアントの声に耳を傾け、土屋の理念を広めていく責務を担い、日々業務に励んでいきたいと思います。

関連記事

TOP