【異端の福祉 書評】個性と感性 / 齊藤健治(ホームケア土屋 三重)

個性と感性 / 齊藤健治(ホームケア土屋 三重)

先ず、代表の本を一読した結果、経緯の部分や感情、想いに対しての表現がたいへん分かり易く、また想像もし易いと感じ、重度訪問介護事業所の教科書といっても良いと思いました。

この教科書を我々へ記念品として配布することよりも、行政や相談員、各事業所に寄贈しても良いのではないかと感じました。

代表が常々言われているブルーオーシャンをレッドオーシャンに変えられるほどの想いもあり、レッドオーシャンになれば国を筆頭に制度が良い方向へ動かざるを得ない環境を作れるのではないかと私は感じました。

代表が本事業に至るまで、又はたどり着くまでの道のりについての経緯が面白く、読むことが飽きませんでした。

なぜなら、私も柄谷行人の思想に共感するところがあり、他者との差や個性に触れ、形而上学を愛すも下学も時には感じ、又、恐縮ですが代表と年齢も若干近く、私もBOXINGが大好きで中学卒業した当時、長野県松本市まで足を運び“高柳ボクシングジム”に通っており、更には不条理な制度や世の中、学問等に対し反権力的な活動を現代美術を通じて表現したり、自費出版したりと共通する部分が多く、語弊がありますがワクワクしながら読んでおりました。
(レコグで代表が柄谷行人のアイコンの私に反応コメント下さった者になります)

話しは逸脱してしまいましたが、入社研修で古本取締役や安積顧問の事例にもあった、世の中の不条理に対しての憤りを感じ、成す術なく仕方がなく施設に留まる。抜け出したくとも生きられないことを強いてきた日本の無力さ…。

命への尊厳や障害を個性と感じとり、誰もが負う可能性のある障害と向き合ったときに、まだまだ少なすぎる重度訪問介護事業所や、その事実に向き合おうとしない政治家、行政も然りですが、木村先生のように政界からの声が発案できる環境に変わりつつある今の日本に期待もしております。

私も法人を設立し、有料老人ホームや大規模デイサービス、訪問介護に居宅介護支援事業所、コンサルタント等を経営していたときに、もちろん政治家関連とも交友があり、今から8年余り前に「今後は高齢者より障害者目線への考えに移行する。財務省もその動きである」旨をリークしていただいたときに「これからは障害に対し目が向けられるのか」と当時は軽い気持ちで感じておりました。

しかし、その期待も僅かなもので、雇われになった今の私は身銭切っての付き合いをしていない“バッヂ者”からの情報は疎いものですが、徐々に財力も狭くなるような見解である旨の話しも聞いております。

サービスへの品質や向上に向けた弊社のような動きも、日本の制度変革とまでは届かないと感じております。だからこそ、レッドオーシャンにし、過疎地や山間部でもサービスを受けたくとも受けれない方々へ手を差し伸べるような変革が必須であると感じました。

そのために、冒頭でも記させていただきましたが、代表のこの教科書とも言えるものを行政をはじめ、政界や全国の相談員や各事業者へも贈ってほしいと思いました。

哲学や思想が好きであっても上手く作文になっておらず、足らない想いであれば恐縮です。

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