「異端の福祉」で振り返り、歩み続ける / 五十嵐憲幸(介護事業部長)

重度訪問介護。
私が介護業界に足を踏み入れて丸13年が経つが、はじめに携わったのは通所介護(いわゆるデイサービス)で、他の介護保険サービスすらまともに知らなかった当時、まったく耳にすることなどなかったワードである。

その後、資格取得のための勉強の中でこの重度訪問介護というサービスに触れることになるのだが、その歴史や背景などを理解するわけでもなく、上辺だけの知識として何となく知ったつもりでいた。

そんな重度訪問介護に図らずもどっぷり浸かったのはまぎれもない、著者である現 高浜代表と出会ったからだ。

重度訪問介護従業者養成研修統合課程で歴史や背景を習い、現場やイベントで当事者の方々と触れあうことによってリアルを少しずつ知った。

重度訪問介護について学びを得るごとに高浜さんを少しずつ知ってきたとも思っている。
そして重度訪問介護や高浜さんというリーダーをこれまで関わった皆さんに伝えてきたつもりだったが、それがこの「異端の福祉」によってほぼ完璧に伝達されることで、本というもののチカラを改めて実感した。

「異端の福祉」は、言わば現時点で土屋のバイブルであるが、PPMVVとともに私たちがこの仕事に関わり続けていくための重要な指針であり、心の拠り所となるものである、と思う。

以前、重度訪問介護がビジネスとして成り立った理由を「偶然の産物」と高浜さんは言っていたが、この本を読んでいただければわかるその強い想いが産み落としたもの、つまり「必然」なのである。

当時命がけで権利を主張してきた障害当事者の方々の熱い想いや、訴えることさえもできない方々の想いを何らかの形で引き継ごうとする想い、あるいは成し遂げようとする想い。そんな想いに惹かれて、今もここにいるのは私だけではない。

やりたいと思ったことのために学ぶことを惜しまず、その一点に向かっていろいろな角度から戦略を立て、様々な人の力を結集して実行し、間違えたら非を認め、すぐに次の手段を考えて取り組む。
そんな行動力を持って土屋を牽引する高浜代表のこれまでの軌跡、「異端の福祉」。

この本を読むまで知ったつもりでいた「社会起業家 高浜敏之」さんについてはまだまだ知らないことがありそうに思われるし、まだまだ学ぶことが多そうに思われる。土屋グループが関わる介護には「新たな未来」が待っていそうなので、体が続く限りもうしばらく皆さんと共に同じ道を歩ませていただければと思う。

■プロフィール

五十嵐憲幸(いがらしのりゆき)
1969年11月9日生。O型。
2016年10月より重度訪問介護に従事、関東・関西・北海道を経て現在は仙台を拠点に地元東北のあらゆる支援に携わる。

 

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